浜松市は、2016年に移転した旧浜北区役所の跡地を、プロポーザル方式で民間事業者に売却する「浜北区役所跡地等スマート化事業」を実施する。環境への配慮や災害対応力強化、地域のにぎわい創出などにつながる開発整備事業を行うことを目指し、募集要項を公表した。

浜北区役所の跡地(写真:浜松市)
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跡地の位置図(資料:浜松市)
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 浜松市は、かねてから「浜松版スマートシティ」の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大や自立分散型エネルギーシステムの構築などに取り組んできた。浜北区役所の跡地売却においても、市の官民連携プラットフォームである浜松市スマートシティ推進協議会などで、スマートエネルギーを軸にしたまちづくりの可能性を検討してきた。要項では、跡地におけるスマートコミュニティ形成と周辺のスマート化に貢献し、その効果検証が可能な事業者を公募するとしている。

 事業の対象となる土地は、浜松市浜北区西美薗の浜北区役所跡地と、隣接する西側駐車場跡地で、面積は計8816m2だ。遠州鉄道浜北駅から徒歩8分の場所で、スーパーマーケットなどの商業施設や市立小学校、中学校も徒歩圏内にある。市が提示している売却参考価格は4億9700万円。

 公募にあたり、市は事業内容に関する条件と、浜松版スマートシティ実現に関する条件の2つの基本条件を挙げている。内容に関する「基本条件1」はいずれか1つの要素を、浜松版スマートシティに関する「基本条件2」はすべての要素を満たす必要がある。

 基本条件1は、(1)教育・文化や保健・医療・福祉、商業・業務施設等の集積によって、文化の創造、地域福祉サービスの充実や地域のにぎわい創出に貢献する事業であること、(2)緑豊かで、街並みと調和した都市景観の形成、エネルギーや環境・ユニバーサルデザインに配慮した住宅の提供などによって快適に暮らせる居住環境の提供に貢献する事業であること、(3)地域住民とのコミュニティの醸成などによって、まちづくりや地域との連携に貢献する事業であること。

 基本条件2は、再生可能エネルギーや未利用エネルギーの活用、ICTを活用したエネルギーの効果的利用、非常時の電源確保や災害時の地域住民への電源供給、スマート化の取り組みに関する情報発信など6つの項目で構成されている。

 これらの条件を踏まえて、具体的な事業内容と買受希望価格を提案する。事業への応募を希望する事業者は、まず、エントリーにあたる「関心表明書」を提出する必要がある。その後、希望する場合は市と個別対話を行い、事業提案書など審査書類の提出、ヒアリング審査を経て事業者が決定されるというプロセスとなる。関心表明書の受付期間は、2020年1月6~31日。審査書類の提出は6月1~3日、ヒアリング審査は6月下旬の実施を予定している。

 審査は事業内容80点、価格20点の計100点で実施する。事業内容は、事業の理解度や遂行体制、計画の実現性や安定性のほか、基本条件1に該当するまちづくりへの貢献と地域との連携、基本条件2に該当する浜松版スマートシティ実現への貢献などについて評価する。審査結果の通知と公表は、6月下旬から7月上旬の予定。その後、基本協定の締結などを経て、土地の引き渡しは9月を予定している。