「Beyond Health」2020年12月23日付の記事より

 岩手県紫波郡矢巾町は、2021年1月10日に成人式を開催するに当たり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止策として、新成人を始め出席者全員に対し無料でPCR検査を実施すると発表した。対象は、新成人313人や、かつての教え子を祝う教師、主催者側関係者など379人。PCR検査サンプリングキットの販売元であるドラッグストアチェーンの薬王堂と検査実施機関であるセルスペクトと連携して行う。

2020年12月21日に開催された記者会見の様子(写真:オンライン画面のキャプチャー)
2020年12月21日に開催された記者会見の様子(写真:オンライン画面のキャプチャー)
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 具体的には、成人式の前日に当たる2021年1月9日に矢巾町公民館で検体の採取およびPCR検査を実施し、検査を受けた人に成人式入場券が配布される。成人式当日の朝9時までには、専用のWebサイト上で検査結果を確認できる。結果が陰性の場合は、成人式入場券を持参して成人式に出席することができ、陽性の場合は、自治体から適切な案内がされる仕組みだ。会場内では消毒や3密を回避するための対策を整えるという。

検査の概要(出所:矢巾町のプレスリリース)
検査の概要(出所:矢巾町のプレスリリース)
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 COVID-19の感染が拡大し、矢巾町内や岩手県内で行われるイベントは中止や延期を余儀なくされていた。そんな中、「一生に1度の成人式だけは開催したいと強く思い、2社の協力を得て今回の取り組みに至った」と2020年12月21日に開催した記者会見に登壇した矢巾町長の高橋昌造氏は説明した。

矢巾町長の高橋昌造氏(写真:オンライン画面のキャプチャー)
矢巾町長の高橋昌造氏(写真:オンライン画面のキャプチャー)
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 当日、会場にはPCR検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陰性と確認できた人だけが入場できるため、当初は中止する予定だった記念写真の撮影も実施する予定だ。

 矢巾町では、今回の取り組みをWithコロナ時代の新しい生活様式の啓発として位置付けており、PCR検査を身近なものとして捉えてもらう一助にしたい考えだ。成人式での取り組みを検証して、「卒業式や入学式などの今後予定されている行事の開催にも役立てたい」と高橋氏は意気込む。

岩手県内を中心にPCR検査キット販売も

 セルスペクトと薬王堂は、今回の取り組みで使用する「新型コロナウイルス PCR検査サンプリングキット」を2020年12月22日からECサイトで販売する。キットを使って自宅で採取した検体(唾液)を薬王堂の店舗に設置した専用ポストに投函してもらえば、セルスペクトが集荷・検査し、Webサイト上で結果が通知される。販売価格は1万6000円(税抜)。

検査キットを使ったサービスのイメージ(出所:薬王堂のプレスリリース)
検査キットを使ったサービスのイメージ(出所:薬王堂のプレスリリース)
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薬王堂 取締役常務執行役員の西郷孝一氏(写真:オンライン画面のキャプチャー)
薬王堂 取締役常務執行役員の西郷孝一氏(写真:オンライン画面のキャプチャー)
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 検体を受け付ける専用ポストは、断熱材を使用して温度管理ができるようになっている。専用ポストは県内にある薬王堂の20店舗に設置しており、「当面は、岩手県一関から沼宮内までの国道4号ラインをサービス提供エリアとして想定している」と薬王堂 取締役常務執行役員の西郷孝一氏は話す。

 将来的には、検査キットを使って自治体や教育機関、企業などと連携するサービスを東北全土や全国に向けて提供していきたいという。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/122301814/