国土交通省は、川とまちが融合した良好な空間づくりを官民連携で目指す「かわまちづくり」について、模範となる2件の取り組みを2019年度の「かわまち大賞」に選定した。受賞したのは新潟市の「信濃川やすらぎ堤かわまちづくり」と、岐阜県美濃加茂市の「美濃加茂地区かわまちづくり」。また、「審査員特別賞」として徳島市の「内町・新町地区かわまちづくり」を選んだ。

 選考対象は、国土交通省の「かわまちづくり」支援制度に登録している213地区のうち、計画の全部または一部を供用開始し、一定の成果を挙げている地区。2回目となる今年度は11件の応募があり、有識者4人で構成する審査委員会が「かわまち大賞」2件と審査員特別賞1件を選んだ。

大賞「信濃川やすらぎ堤かわまちづくり」

かわまち大賞を受賞した「信濃川やすらぎ堤かわまちづくり」(資料:国土交通省)
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かわまち大賞を受賞した「信濃川やすらぎ堤かわまちづくり」(資料:国土交通省)
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かわまち大賞を受賞した「信濃川やすらぎ堤かわまちづくり」(資料:国土交通省)

 大賞を受賞した2組のうち、「信濃川やすらぎ堤かわまちづくり」は、全国初の緩傾斜堤である「やすらぎ堤」でイベントやオープンカフェなどを開催し、にぎわいを生む取り組みだ。

 2017年度からアウトドアメーカーのスノーピーク(新潟県三条市)が「アウトドアと健康」をテーマに全体のマネジメントを担い、成果を挙げている。同社参入前の16年度の来場者数3万人に対し、18年度は3万5300人に、売り上げは同7400万円から8690万円に増加した。審査では、その経済効果に加え、民間企業が参加運営する模範的なモデル形成や社会実験の実施、地元の受け入れ体制、周辺環境整備などが他地区の参考になると評価された。

大賞「美濃加茂地区かわまちづくり」

かわまち大賞を受賞した「美濃加茂地区かわまちづくり」(資料:国土交通省)
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かわまち大賞を受賞した「美濃加茂地区かわまちづくり」(資料:国土交通省)
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かわまち大賞を受賞した「美濃加茂地区かわまちづくり」(資料:国土交通省)

 同じく大賞に選ばれた「美濃加茂地区かわまちづくり」の中心は、木曽川の河畔に10年近くかけて再整備した「中之島公園 リバーポートパーク美濃加茂」だ。川遊びやバーベキュー、プレーパークなどのプログラムを用意する。川とまちをつなぐため、船着き場や水際遊歩道の整備、コミュニティーバス、レンタサイクル事業も実施。公園の供用開始後、来訪者数は前年の4万4000人から11万人と、2倍以上になった。2018年度グッドデザイン賞も受賞している。指定管理者(中之島公園利活用共同体 代表企業:有限会社EAT&LIVE、構成企業:有限会社リタッグ)は自主事業としてバーベキューやカフェ、アウトドアアクティビティーなどを運営しており、その仕組みづくりも評価の対象となった。

審査員特別賞「内町・新町地区かわまちづくり」

 審査員特別賞の「内町・新町地区かわまちづくり」は、徳島市の中心部を流れる吉野川水系の新町川と助任川、2つの川に囲まれた中洲「ひょうたん島」を対象とする。20年以上にわたって親水公園やボードウオークの整備が進められてきただけででなく、1990年発足のNPO法人・新町川を守る会が、川の定期清掃に加え、「ひょうたん島クルーズ」を運営。2000年に1万人だった乗船者は、16年には6万人に達した。近年はLEDによる景観整備、ふるさと納税型クラウドファンディングを利用した修景護岸整備が実施され、水辺を舞台にさまざまなイベントが開かれている。早くから水辺での活動をリードしてきた歴史と実績が評価を得た。

この記事のURL https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/news/122501399/