“内閣府版”は「総合戦略」との連動などが特徴

 “内閣府版”は自治体が直接参考にしやすいもので、新谷氏によると3つの特徴がある。「①総合戦略(まち・ひと・しごと創生総合戦略)と連動しているため、人口減少への対応と地域の活性化が中核に据えられている」「②登録・認証制度やSDGs金融など、地域の中業企業等を動かす仕組みが規定されている」「③モデル化できる特徴的な事業がクローズアップされる傾向にあり、真の地域課題の解決に役立てるには工夫が必要」といった点だ。

“内閣府版”の3つの特徴(出所:地域未来づくり研究所)
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 まず、第2期「総合戦略」は、「政策体系」に「地方創生SDGsの実現などの持続可能なまちづくり」を盛り込み、SDGsの実現を通じて、地方創生を推進することをより明確化している。そのための取り組みを幅広くまとめるとともに、前述したように、SDGsの達成に向けた取り組みを行う自治体の割合を2024年度は60%にする目標を掲げた。

 “内閣府版”では、専門部会の資料も公開されているが、自治体が地方創生SDGsの達成度を評価するとき参考になるものが少なくないと新谷氏は解説する。

 例えば、地方創生SDGs金融調査・研究会が提供する「地方創生SDGs取組達成度評価項目一覧」では、169の全ターゲットについて達成度の評価を自治体が行えるように、「地方創生SDGsの取組達成度評価」の案が示されている。

 また、自治体SDGs推進評価・調査検討会が提供する「地方創生SDGsローカル指標リスト」では、232の全グローバル指標を日本語に翻訳するとともに、日本の地方創生SDGsにおける進み具合を評価できるように「ローカル指標」を定義。そのローカル指標の計算に使うデータソースまでを示している。

「地方創生SDGsの取組達成度評価」「ローカル指標」の例(出所:地域未来づくり研究所)
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 「こうした評価項目、ローカル指標を参考にして、具体的な施策を練ることで、漏れがなく効果的なものすることができる」と新谷氏は指摘する。

「SDGs未来都市」に選ばれることだけを目標にしない

 内閣府による地方創生SDGsの取り組みとしては、「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」の選定といった施策もよく知られている。SDGs未来都市については2020年度までに93自治体が選ばれた。

 新谷代表理事は、SDGs未来都市に選定されることは良いことではあるが、「SDGs未来都市や自治体SDGsモデル事業の選定だけを目標にしてしまうと、SDGsを推進しても各地域の特性を生かした成果が生まれてこない可能性がある」と懸念を示した。

 そして新谷氏は、「誰一人取り残さない」など、SDGsのスローガンを示して講演を結んだ。

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1ページ目の最初の段落に地域未来づくり研究所の設立経緯についての情報を追加しました。 [2021/2/17 8:30]