岡山市の健康ポイント事業、地元のヘルスケア産業が活性化

 岡山市は、PFSの一種で事業資金を民間から調達するSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)を導入し、35歳以上の市民・在勤者を対象に、健康ポイント事業「おかやまケンコー大作戦」に取り組んでいる。市内の150以上の店舗がポイント対象店となり、フィットネスジムの利用、ヘルシーなお弁当の購入、カルチャークラブ受講などに対してポイントを付与。ポイントは商品券などと交換できる。個人のほか、企業やグループでの参加も受け付け、成績上位の企業には健康経営の助成を行う。

岡山市 保健福祉局保健福祉部保健管理課健康寿命延伸室の矢吹大輔副主査(写真:赤坂 麻実)

 事業費は最大3億7000万円。プラスソーシャルインベストメントがSIBのファンド取扱者となり、地元企業や市民など23社・65人から合計3000万円を調達した。サービス提供事業者は、フィットネスジムやスーパーなどの地元企業13社。事業全体を管理する中間支援組織のPS瀬戸内、出資者である中国銀行や社会変革推進財団、サービス提供事業者などで「事業運営会議」を組織し、事業内容や出資金の配分などを協議している。

 事業成果の評価は、3年間に年1回ずつと最終評価の4回行うこととし、各年で異なる成果指標を設定した。1年目(2020年度)は参加登録者数、2年目は生活習慣改善の意識、3年目は週2回以上の継続者数、最終評価は健康状態の改善率(参加した当初、BMIが25以上の肥満だった人のうち、25未満になった人の割合など)。

■健康ポイント事業「おかやまケンコー大作戦」の成果指標は段階的なものに
(資料:岡山市)
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 岡山市保健福祉局保健福祉部保健管理課健康寿命延伸室の矢吹大輔副主査は、PFSを実施する際のポイントとして支払い条件の「難易度」を挙げた。「簡単に達成できるようでは、PFSの導入効果である企業努力の最大化が見込めなくなる。その意味で、行政は厳しい支払い条件を求めている。一方で、出資者や事業者は達成しやすい条件を望んでいる。慎重に、中間支援組織から意見を聞きながら設定した」。

 矢吹氏は導入の手ごたえについて次のように語った。「市民の健康づくりという社会的事業に“オール岡山”の投資を呼び込めたことがよかった。また、地元企業が生活習慣病の改善メニューを提供することで、ヘルスケア産業の振興にもつながっている。毎月の事業運営会議は、参画企業同士のビジネスマッチングの場にもなっている」。