SIBの活用でスタートアップも市の事業に参画可能に

 インパクト投資の普及に取り組む社会変革推進財団の仲村裕子インパクト・オフィサーは、PFSやSIBについて「導入の敷居が高いと感じられるかもしれないが、取り組む価値はある。成果目標の達成に向けて、事業者のより積極的な取り組みを促すことができる」と話した。

社会変革推進財団の仲村裕子インパクト・オフィサー(写真:赤坂 麻実)

 特にSIBを導入する利点として、新しいことを始められる可能性が広がるとした。「通常の委託事業では、委託料が事業者に入るのは事業完了後になるが、SIBなら先に資金が入る。企業としての(財務の)体力はあまりないが、アイデアや技術を持ったスタートアップなども市の事業に参画できるようになる」(同)。

 PFS/SIBの導入プロセスで重要なことは、適切な評価指標が設定できているかどうか、実際にその指標で測定が可能かどうかを十分に検討することだという。「PFSなら、自治体の財政部門に説明する際に非常に重要になってくる。SIBの場合も、投資家に説得力のある説明をしなければいけない。その際、出資者や出資を検討している人のリスク許容度や投資目的などを把握して説明に当たることが重要だ」(同)。

■PFS/SIBの検討プロセス
(資料:社会変革推進財団)
[画像のクリックで拡大表示]
(資料:社会変革推進財団)
[画像のクリックで拡大表示]

 社会変革推進財団は、日本財団とソーシャル・インベストメント・パートナーズが2018年に合併し、現在の名称になった。日本ではSIBが全国で20件前後(2019年8月時点)導入されており、社会変革推進財団はこのうち8件に資金提供や中間支援などで関わっている。