東京都が取り組む「5G技術活用型開発等促進事業/Tokyo 5G Boosters Project」の開発プロモーターであるサムライインキュベート(東京都港区)は、採択スタートアップ4社のプロジェクトを決定した。同社は東京都の都政課題に沿った「防災・減災・災害復旧」「インフラメンテナンス」「子育て・高齢者・障害者などの支援」「国際的な観光・金融都市の実現」「交通・物流・サプライチェーン」の5種類の開発支援テーマに沿った事業アイデアを募集していた。

GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOプログラムの全体像(出所:サムライインキュベート)
GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOプログラムの全体像(出所:サムライインキュベート)
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 4社に対しては、同社が立ち上げた5G技術の街中実装・事業化を推進するアクセラレータープログラム「GO BEYOND DIMENSIONS TOKYO」において、共創モデルの企画から実行体制の構築、実証実施まで、最長3カ年度の長期伴走支援を行う。

2月3日の採択記者発表会の様子(写真:工藤宗介)
2月3日の採択記者発表会の様子(写真:工藤宗介)
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 採択されたのは、Yper(東京都渋谷区)の「5G遠隔操作・監視でどこからでも配達員になれる自律走行ロボット」、サイトセンシング(東京都千代田区)の「減災初期対応に必要な災害時の被災状況のドローン生中継サービス」、シナスタジア(名古屋市)の「5Gによる大量普及型XR顧客体験価値向上サービス」、Placy(東京都目黒区)の「『感性』で人と場とのリアルなつながりを創出するリアルワールド・メタバースサービス」の4つ。

 採択スタートアップ企業は今後、東京を中心とする街中に施設・インフラ・モビリティなどリアルな実証フィールド・アセットを持つ大手企業・大学の「街中実装パートナー」と事業共創し、生活者のニーズに合う実用的な5Gソリューションの街中実装を目指す。2022年4月から街中実証を順次開始し、夏頃に成果発表会を予定している。

採択スタートアップと街中実装パートナー(出所:サムライインキュベート)
採択スタートアップと街中実装パートナー(出所:サムライインキュベート)
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 GO BEYOND DIMENSIONS TOKYOの責任者であるサムライインキュベート・Director Enterprise Groupの山中良太氏は、同社が5Gというテーマで目指している将来ビジョンは「AI・データ転送のケータイ化」にあるとの考えを示した。ケータイ化という言葉には、誰もがいつでもどこでも利用できるという意味を込めたという。

 東京都の5G技術活用型開発等促進事業は、5G技術を活用した製品・サービスの開発を行うスタートアップ企業を支援する事業で、2020年度から開始した。東京都と連携してスタートアップ企業を支援する民間事業者を開発プロモーターと位置付け、資金調達や大企業とのビジネスマッチング、大手通信事業者の協力による5G環境での実証実験など、スタートアップ企業に必要な支援を多面的に実施する。開発プロモーターに、2020年度は3社、2021年度はサムライインキュベートを含む3社を選定した。各開発プロモーターは、それぞれ自社の特色を活用したスタートアップ支援を実施する。

 以下、4社のプロジェクト概要を紹介する。