高齢者の社会参加を模索――横浜市

横浜市 健康福祉局 地域包括ケア推進課 介護予防担当係長の見村めぐみ氏(写真:小口正貴)
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 自治体の立場からは、横浜市健康福祉局地域包括ケア推進課介護予防担当係長の見村めぐみ氏が登壇。「JAGESデータを活用した横浜市の取組」を説明した。

 2018年3月末現在、横浜市の人口は約374万人。そのうち高齢者は90万人を超えており、高齢化率は24.1%、要介護認定率は全国平均をやや下回る17.5%となる。しかし、高齢化は急速に進展しており、6年後の2025年には後期高齢者が58万人になる見込み。さらに、この高齢化にともなって、介護が必要な高齢者も増加すると予想されている。一方、総人口は2019年度をピークに減少を続け、2025年には3万人以上減少して約371万人になるという推計もある。

横浜市の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画のページ

 こうした背景から、横浜市は「第7期 横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」で「横浜型地域包括ケアシステム」の構築・推進を掲げた。地域で支援が必要な人々を包括的に支える「地域ケアプラザ」を拠点に、活発な市民活動との協働、健康寿命の延伸に向けた「介護予防・健康づくり」「社会参加」「生活支援」を一体的に推進し、特徴ある地域づくりを目指すというものだ。

 横浜型地域包括ケアシステムにおける介護予防については、地域の課題を整理し、関係者などのネットワークを形成しながら、課題解決に向けた活動を関係者全員と築いていくことを基本とした「地域づくり型介護予防事業」を、2012年度から進めている。「住民が、地域が、健康になる」ことを目指した介護予防である。

 これを進めるためには「地域の課題や地域が目指す目標を、市が住民や関係者と一緒に共有する必要がある」(見村氏)。そこで横浜市は2013年からJAGES調査に参加し、その調査結果を職員研修や住民説明会などに生かしている。調査結果のデータは、第7期 横浜市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画にも反映している。

  また、2018年に実施したJAGES調査では、新たな人材発掘の観点から、記名式の別紙アンケートを同封したところ、「高齢になっても社会貢献したい」との前向きな意見が多く届いたという。横浜市としては、そうした高齢者は生活支援の担い手として期待できるとともに、これが社会参加につながり「結果的に介護予防にもなる好循環が生まれるのではないか」(見村氏)と期待している。

 ただし、スキルある高齢者が力を発揮できる場の確保や、活動へのマッチングなどの課題もある。この課題解決は行政だけでは限界があることから、見村氏は「NPO法人や民間企業などと連携し、協働しながら進めていく」として公演を終えた。