静岡県御前崎市/島田掛川信用金庫

■地元企業と学生を行政と金融機関がつなぐ「Uターン・地元就職応援プロジェクト」

 御前崎市には人口減少、産業の衰退による税収の減少といった課題がある。一方、島田掛川信用金庫には取引先の人手不足による生産性の低下、担い手不足による廃業の増加といった課題があった。そこで両者が手を組んでスタートさせたのが「リターン就職応援プロジェクト」だ。県内外に進学する学生に御前崎市の魅力を発信し、将来地元で活躍する若者を増やすことが目的だ。

(出所:御前崎市/島田掛川信用金庫)
(出所:御前崎市/島田掛川信用金庫)
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 プロジェクトでは、地元の高校3年生に登録してもらい、合同企業ガイダンスの開催、インターンシップ情報の提供などの情報発信を行い地元企業を支援するほか、助成金とローンの優遇を行う。

 「リターン就職応援助成金」では、「リターン就職応援ローン」(後述)を借り入れ、卒業後に御前崎市内に在住し、市および近隣市の企業に就職した学生の保護者に対して、借入利息相当額(最大2.0%)を助前金として支給する。また、同一企業に5年間就職した場合は、借入元金の20%を助成金として支給するというものだ。

 「リターン就職応援ローン」は、プロジェクトに参加した学生の保護者に対して、地元金融機関(島田掛川信用金庫、静岡銀行、静岡県労働金庫)が通常より低利率の2.0%でローンを提供するという内容だ。

 受賞講評では「金利優遇や元金一部を助成金として支給するユニークな支援スキーム」であり、「地域経済の存続に関わる課題に対して、地方公共団体と地域金融機関が連携して取り組んでいる稀有な事例」と評価された。

鳥取県/山陰合同銀行

■「知る」から「パートナーシップ」まで:リトルで利取る鳥取県版SDGsパッケージ支援

 鳥取県は、県全体のSDGs達成に向けた県民運動を起こしていくため、県が官民連携ネットワークを設置し、山陰合同銀行と鳥取銀行の2行と協働を進めている。これにより、地域経済の自律的好循環の形成を目指す。

(出所:鳥取県/山陰合同銀行)
(出所:鳥取県/山陰合同銀行)
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 この官民協働では、以下の3段階のパッケージ支援を行っている。

ステップ1:「知る」支援
 県内のSDGsに取り組む企業・団体などに登録してもらう宣言・登録制度「とっとりSDGsパートナー制度」を設置。さらに「とっとりSDGs伝道師制度」を創設して、企業の依頼により社内研修などで“伝道師”がSDGsの理念を分かりやすく説明する仕組みを整えた。

ステップ2:「実践」支援
 「とっとりSDGs企業認証制度」により、認証を受けた企業に対して.SDGs経営伴走サポートやFS調査や試作開発の支援などを行う。

ステップ3:「パートナーシップ」支援
 表彰やマッチングを行い、新事業の創出や拡大を進める。

 こうした官民協働体制やパッケージ支援により、受賞講評では「域外からビジネスの獲得や関係人口の創出が期待できる」と評価されている。