福岡市は2022年3月16日、2021年度第3回福岡PPPプラットフォームセミナーをオンライン形式で開催した。テーマは「福岡PPPプラットフォーム過去10年間の振返り」。同PPPプラットフォームのこれまでの活動内容を概観するとともに、地元企業5社に「同プラットフォームに参加した感想」などを質問した事前収録インタビューが紹介された。
事業者との対話で個別事業への参画を促す

セミナーは福岡市財政局理事の竹廣喜一郎氏による主催者挨拶に続いて、福岡市財政局大規模施設調整課係長の池田貢太氏が「福岡PPPプラットフォーム 10年間の振り返り」と題して、発足した2011年から現在までの同プラットフォームの活動内容を報告した。
池田氏によると、2011年に福岡PPPプラットフォームが設置された背景には、当時の福岡市が公共施設の大量更新期を迎えていたことがある。この機会を地域経済の活性化に結び付けるためには、地元の建設会社、金融機関などが連携しながら福岡市のPPP/PFI事業に参画することが望ましい。だが、福岡市はPPP/PFI事業の実績がまだ乏しく、地元企業もPPP/PFI事業に参画する十分なノウハウを持っていなかった。そこで、PPP/PFI事業のノウハウ習得、提案力や事業遂行能力の向上のためにセミナーを継続的に開催する「常設の場」として、同プラットフォームが設立されたという。
セミナーのテーマは、PPP/PFI事業に参画するための課題の洗い出し、他の都市における先進事例の研究、構想段階の個別事業の情報提供と意見交換、異業種間のネットワークの形成など。2011年から2013年までは「学習フェーズ」として、PPP/PFIの基礎知識の習得や先進事例の研究に重点を置いて、地元企業のPPP/PFI事業参画の機運を醸成。2014年以降は「事業推進フェーズ」として、地元企業と福岡市が意見を直接交換する「官民対話」を開催し、福岡市が公募する個別事業への参画を促したり、事業者からの提案内容の質を向上させたりしようと努めている。