Jリーグ所属のサッカーチームがSIB、徳島ヴォルティス

徳島ヴォルティス 取締役事業本部長兼ホームタウン推進部部長 谷直和氏(写真:近藤寿成)

 徳島ヴォルティスは、「スポーツを通して徳島の活性化に貢献する」をミッションに掲げるJリーグ所属のサッカーチームだ。谷氏が所属するホームタウン推進部は「集客活動」「スクール活動」「地域貢献活動」を柱とし、年間400以上の様々な活動を地域で実施している。

 徳島ヴォルティスが取り組んできた地域課題には「子どもの体力向上」「親子のコミュニケーション」「健康増進・健康寿命延伸」がある。これらの事業化にあたって美馬市や連携各社に打診。2018年11月21日に美馬市と大塚製薬、徳島ヴォルティスで健康増進に関する3社覚書を締結したほか、2019年7月からは美馬市版SIBである「ヴォルティスコンディショニングプログラム」がスタートする予定だ。これはJリーグクラブによる全国初のヘルスケアSIBとなり、谷氏は「他のモデルとなる仕組みとしたい」と意気込む。

 事業内容は、大塚製薬が美馬市との連携協定に基づいて健康セミナーや健康測定会、運動の習慣化に向けたイベントなどを実施するなかで、ヴォルティスコンディショニングプログラムは20歳以上の市民1800人を対象に、5年間で「運動機能の改善による運動習慣の定着を図る」(谷氏)。成果連動型の支払い率に適用するKPIには、プログラム参加者全員の「運動習慣がない人の改善(運動習慣化)」と、65歳以上の「基本チェックリスト5項目のうち3項目該当者の改善(2項目以下に移行)」がある。最終的には「医療費の抑制」「QOLの向上」「介護給付金費の抑制」にもつなげていきたい考えだ。

コンディショニングプログラムのロジックモデル(当日の講演資料より)
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 美馬市版SIBの拡大に対して、谷氏は「健康な人の健康増進に対する評価方法の確立」「クラブが導入しやすいスキームやパッケージの開発・活用」「地域の協力(ボンド)を得るためのプラットフォーム構築」を課題として挙げる。また、今後の展望として美馬市の医療費・介護費用抑制への貢献だけでなく、「他の課題解決に向けた拡大」「美馬市以外の自治体への拡大」を目指す。さらに、Jリーグと連携し、「他地域への拡大やスポーツによる健康への貢献の可視化」を進めていく考えだ。