介護予防SIBに注目

日本総合研究所 リサーチコンサルティング部門 プリンシパルの石田直美氏(写真:近藤寿成)
日本財団 経営企画部パートナー開発チームの藤田滋氏(写真:近藤寿成)

 日本総合研究所は、経済産業省の2018年度「健康寿命延伸産業創出推進事業」に取り組んでおり、くまもと健康支援研究所と徳島ヴォルティスのプロジェクトを支援している。石田氏によれば「介護が大きな社会問題であるとともに、健康でい続けることも社会的インパクトが大きい」ことから「昨年度まで手掛けてきた医療系から、今年度はその軸足を介護予防に移している」とし、この2つのプロジェクトを支援した背景を説明する。

 日本財団は、2015年頃からパイロット事業としてSIB事業に取り組み、具体的な事業として2017年の神戸市の案件組成に携わったほか、経済産業省の広島市の案件にも資金提供でかかわっている。介護予防のSIB事業において、藤田氏は「関係者のモチベーションの向上がとくに重要だ」と考えている。なぜなら、既存の制度では財政面でのモチベーションが上がりにくいが、SIB事業であれば「自分たちの取り組みが財政的にも評価される可能性がある」からである。

 また、介護予防では運動や認知機能だけでなく「外出や交流といった社会参加も効果がある」という研究結果に触れ、高齢者が集うサロンのような場づくりを厚生労働省が進めていることに着目する。ただ、現状は「面白い場が少なく、人が集まらない」という問題を抱えていることから、楽しいイベントやサービスを企画できるような企業を求めているとのこと。そういった意味で、「様々なサービスが介護予防につながる」として可能性の広がりを提案した。