これからの人口減少時代、行政と民間のあり方を見直しが必要

 石黒氏と宮田氏が共通の前提として語ったのは、これから人口減少が進むということ。それを踏まえて石黒氏は「単純な仕事はロボットなどに置き換わっていく。一方で、人は人と関わるということを求める。人の存在をちゃんと感じられるホスピタリティのあるサービスを受け続けたいと思う」と語り、人と人が交わるための技術の開発や働き方の多様化が重要になるとした。

 宮田氏は「海外ではAIや石黒先生が研究されている『アバター』などによって、仕事が奪われるという反発が大きくある。しかし日本では私の知る限りそうではなく、むしろ期待している面がある。技術と共存することへの許容度が高いと思う」と語った。

 永藤氏は、堺市の人口が現在82万4000人で高齢化率28%のところ、2050年には65万人にまで減り、高齢化率は36%まで上がるという推計を提示した。「こうなっていくと、自分たちの市だけで行政サービスをまかなうことはできなくなる。実はこの動きは既に始まっていて、隣の高石市の消防行政は事務委託を受けて堺市が受け持っている」(同氏)という。今後、日本全体で見ても、国と地方、都道府県と市町村、行政と民間のあり方も見直す必要があるのではないかと指摘した。

大阪府堺市市長の藤永英機氏。堺市の課題はこれからの日本の課題であると位置付け、民間とも連携して課題を解決していくと語った
大阪府堺市市長の藤永英機氏。堺市の課題はこれからの日本の課題であると位置付け、民間とも連携して課題を解決していくと語った
[画像のクリックで拡大表示]