住民への新型コロナウイルス関連情報の提供に向け、自治体や官公庁などへ自社のサービスを無償提供するIT企業が次々に現れている。緊急事態宣言の対象地域が全国に広がり、全国で外出自粛が求められている。利用期間は限定されているが、無償の情報提供サービスを活用することで、住民への情報提供を迅速に強化することが可能になる。

新型コロナウイルス対応で、自治体などへ情報提供サービスを無償提供するIT企業の例
企業名 無償提供するサービス 備考
hachidori チャットボット内製ツール「hachidori」並びに「新型コロナウイルス対策用テンプレート」 申し込みは3月末まで
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NEC チャットボット「NEC自動応答」 無償提供は4月末まで
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ONE COMPATH 電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」 申し込みは4月30日まで
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オウケイウェイヴ 情報共有サービス「OKBIZ. for FAQ / Helpdesk Support」 無償提供は9月末まで
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メディカルノート 医療ウェブメディア「Medical Note医療相談」 無償は2カ月間
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ユーザーローカル コロナウイルスに関する質問に自動対応するチャットボット
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専門医を中心とする医療従事者とオンラインで相談

日南市によるスマホアプリ登録説明(ウェブブラウザ―でも利用できる)
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 宮崎県日南市と、メディカルノート(東京・渋谷区)は共同で、専門医を中心とする医療従事者とオンラインで相談できるサービス「Medical Note医療相談」を、日南市の住民に向けて提供している。住民は4月17日から6月30日(予定)までスマートフォンやパソコンを使って、無償で健康に関する相談ができる。外出自粛が続くなか、健康維持や病気の治療などに対する不安を抱える住民の不安解消を目指す。

 メディカルノートでは従来から「Medical Note医療相談」を、リモートワークを行う企業向けに1カ月の期間限定で無償提供してきた。3月にはその対象を新型コロナウイルスの感染対策を行う企業などに拡大し、無償期間も2カ月に延長。日南市の住民向けサービス提供もその一環で実現したという。日南市の﨑田恭平市長は「新型コロナウイルス感染症に関する相談も受け付け、日南市民の健康に対する不安解消につながるツールとして活用される」という趣旨のコメントを発表している。

外出自粛や休校の要請などの情報を発信

電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」の活用イメージ。外出自粛や休校の要請などの情報を自治体圏内のShufoo!ユーザーに発信できる
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 凸版印刷グループのONE COMPATH(ワン・コンパス、東京・港区)は、同社の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」について、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特別対応として、自治体と官公庁を対象に、4月8日から4月30日までの申し込み分について、情報掲載料を無償にした。電子チラシサービスとして実績のあるShufoo!を活用し、外出自粛や休校の要請などの情報を自治体圏内のShufoo!ユーザーに発信できる。発表した後、自治体からの問い合わせが複数件来ているという。

 情報掲載料が無償になるのは、Shufoo!未導入の自治体(都道府県・市区町村など)および官公庁。公共的団体(商工会議所や協同組合等の産業経済団体、社会福祉団体、文化団体、自治会、財団法人ほか)は対象外で、配信内容については新型コロナウイルス関連のものに限定されるが、1回のチラシ配信につき最大31日間の掲載が可能だ。

新型コロナの質問に文字で自動回答

相模原市の情報提供で活用され始めた「hachidori」の画面例
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 hachidori(東京・千代田区)は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う住民対応を行う自治体向けに、同社のチャットボット内製ツール「hachidori」を活用した新型コロナウイルスの情報提供サービスを無償提供している。スマホなどから新型コロナウイルスの質問を文字で送ると自動的に回答する。神奈川県相模原市市長 本村賢太郎氏の後援事務所 もとむら賢太郎事務所が運営するLINEアカウント『相模原・新型コロナウイルス関連情報』に導入されたことを明らかにしたほか、採用した自治体があるという。同社は申し込みを3月末で締め切ったが、「問い合わせがあった場合は柔軟に対応する」という。