「Beyond Health」2020年5月19日付の記事より

 インターネットイニシアティブ(IIJ)の在宅医療介護連携システム「IIJ電子@連絡帳サービス」(以下、電子@連絡帳)を導入している愛知県の35市町村は、同システムの運用に関する広域連携協定を締結した。各市町村のシステムに登録された在宅療養患者の情報を、二次医療圏の範囲を超えて連携できるにようになる。2020年5月13日にオンラインで開催した記者会見で明らかにした。

2020年4月1日付けで電子@連絡帳の広域連携協定に参加した35市町村(表:IIJの資料を基にBeyond Healthが作成)
[画像のクリックで拡大表示]

生活圏を重視した情報連携

 愛知県のICTを用いた医療介護連携は、主に自治体(市町村)単位で導入されており、運用費は各市町村が負担している。そのため市町村それぞれに利用規約があり、システムを利用する医療介護従事者の職種も異なっている場合があるなど、市町村を越えた情報連携が難しい。

 しかし、在宅療養者の生活圏は市町村区分と異なっており、隣接する市町村の医療や介護サービスを受ける方が便利なことが多い。そこで、同じ二次医療圏内であれば、隣接する市町村の電子@連絡帳サービスに登録された在宅療養者の情報連携ができるよう以前から各市町村間で協定締結の上、運用してきた。

 ただ、医療介護は各市町村のみならず医療圏内で完結できないことも多く、医療圏を越えた情報連携が求められていた。例えば、救急医療は二次医療圏内での提供体制が整備されているものの、医療圏内の医療機関での受け入れが困難な場合もある。「南海トラフ地震など広域災害では地域住民の情報を市町村や医療圏を越えて連携することが求められる。電子@連絡帳の相互乗り入れを医療圏に留めることなく県内に広めていく必要があると考えた」。広域連携協定を提案した愛知県医師会 理事の野田正治氏はこう語る。

広域連携協定を提案した愛知県医師会理事の野田氏(写真:オンライン画面のキャプチャー、以下同)
[画像のクリックで拡大表示]

 現在、愛知県では全54市町村のうち46市町村が電子@連絡帳を運用している。今回、広域連携協定を締結したのは35市町村のため、11市町村が協定締結に至らなかった。これは、新型コロナウイルス対策に各自治体が追われたため。2020年10月には電子@連絡帳を運用するすべての市町村が連携協定に参加する予定という。