5月14日に福岡県の非常事態宣言が解除されたことを受け、北九州市では19日に市立美術館(本館)と、いのちのたび博物館(自然史・歴史博物館)が開館した。市は新型コロナウイルス対策のため、交通系ICカードを使った文化施設の来館者登録システムを試験的に導入する。来館者の感染が疑われた場合、同じ日時に居合わせた人にすみやかに連絡できるようにするものだ。市によれば、交通系ICカードを利用した同様の取り組みは全国初。

■来館者登録システムの概要
[画像のクリックで拡大表示]
(資料:北九州市)
5月19日の開館を告知する「いのちのたび博物館」のウェブサイト

 来館者が施設入り口の端末にICカードをタッチすると、6桁の「来館者番号」が付与される。この番号と氏名、連絡先を「連絡先カード」に手書きで記入する。

 来館者番号と来館施設、日時のデータをクラウドサーバに保管し、感染疑いが発生したときに濃厚接触の可能性がある来館者番号を抽出。市の担当者が該当の番号と連絡先カードを付き合わせて来館者に連絡する仕組みだ。プライバシー保護のため、氏名と電話番号はサーバにアップしない。

 連絡先カードの記入は任意で、複数で来館した場合は代表者のみの記入でもかまわない。ICカードを一度登録すれば、以後は他の施設でも記入せずに来館記録を残せる。ICカードを持っていない場合は、来館のたびに記入すれば同様の対応が受けられる。

 国(接触確認アプリ)や大阪府(大阪コロナ追跡システム)が予定する濃厚接触探知はスマートフォンを利用する。これに対して、北九州市では、交通系ICカードを採用した。市の担当者は「コロナ対策で最も守りたい高齢者や小さな子どもはスマートフォンを持っていないことも多い。交通系ICカードなら所有率が高く、操作もタッチだけで簡単だ」と理由を説明する。