日本もデータを集めやすい仕組みを

 システムとともに法整備も進んでおり、エストニアでは医療情報や疾患情報などのデータ蓄積や利活用も進んでいる。例えば、救急隊員がタブレット端末で患者の基本情報を確認できる「e救急医療」、医師同士が患者のカルテなどを共有してアドバイスできる「e医療相談」、患者が自分の医療データにアクセスできる「患者ポータル」などがすでに実現されいるそうだ。これらのサービスの実現には当然データが重要になることから、日本には「データをどうやって効率的に収集し、安全に運用するかを学んでほしい」と牟田氏は訴える。

 データのセキュリティにおいて、牟田氏は「完全性」「機密性」「可用性」の3要素を挙げる。エストニアでは、機密性や可用性を担保しつつ、より高い完全性のために「ブロックチェーン」を活用しているのが特徴だ。重要なのはリアルタイムでデータの完全性を保障する点にあり、とくに医療においては「最新のデータであることを保証するために、ブロックチェーンが活用されている」と補足する。

 エストニアがここまでの仕組みを構築できた要因はいくつかあるが、牟田氏は日本が同様のレベルになるためには「ある程度の義務化が必要だ」と提言する。例えば現状では、医療データの利活用に本人の同意が基本的に必要となるため、「もう少しデータを集めやすくなるような法整備が求められる」として講演を終えた。

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当初、2ページ目の第2パラグラフで「安全性」と記載していましたが、正しくは「完全性」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。