北海道日本ハムファイターズが北広島市に総工費約600億円を掛けて建設中の「北海道ボールパーク F ビレッジ」が、いよいよ来年(2023年)3月に開業する。約32haという広大な敷地で、新球場を核としたまちづくりの取り組みが進む。スポーツ専門展示会「Japan Sports Week 2022」(5月11~13日、東京ビッグサイト)で開催されたセミナー「北海道ボールパークが目指す新しいスタジアムの『カタチ』」には、約550人の聴講者が集まり関心の高さをうかがわせた。セミナーの概要をリポートする。

登壇者

前沢賢(まえざわ・けん)氏
北海道日本ハムファイターズ取締役/ファイターズ スポーツ&エンターテイメント取締役、同・事業統轄本部長

斎藤佑樹(さいとう・ゆうき)氏
株式会社斎藤佑樹代表取締役

間野義之(まの・よしゆき)氏(司会進行)
早稲田大学スポーツ科学学術院教授/早稲田大学スポーツビジネス研究所所長

500人以上の聴衆を集めたセミナーの様子(写真:栗田 洋子)
500人以上の聴衆を集めたセミナーの様子(写真:栗田 洋子)
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整備の進ちょくは順調、開業までにソフト面をレベルアップ

 セミナーの前半はまず、ファイターズ スポーツ&エンターテイメント(ファイターズS&E)の前沢氏がボールパークプロジェクトのスケジュールや進ちょく状況などについて説明した。

ボールパークプロジェクトについて説明する前沢氏(写真:栗田 洋子)
ボールパークプロジェクトについて説明する前沢氏(写真:栗田 洋子)

 プロジェクトがスタートしたのは2015年。前沢氏は「悲願だった自前の新球場を造りたい」と声を掛けられ、一度辞めたファイターズに戻ってきた。当初は「できるはずがない」といった否定的な意見が大半を占めていたが、「我々には揺るぎない信念があり、それを支える仲間にも恵まれていた」と前沢氏。プロジェクトが大きく進展した要因として、中部電力グループで不動産開発を手掛ける日本エスコンとの間で、単なる球場ネーミングライツ契約にとどまらないパートナーシップを結べたことを挙げた。

 新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を含む「北海道ボールパーク F ビレッジ」は2023年1月竣工、同年3月開業が決まっている。前沢氏は「2022年4月末時点の工事の進捗率は76%。今のところ、工事はかなり順調に進んでいる」と報告する。

北海道ボールパーク F ビレッジの全体イメージ。総工費600億円を掛け、2023年3月に開業予定だ(出所:北海道日本ハムファイターズ)
北海道ボールパーク F ビレッジの全体イメージ。総工費600億円を掛け、2023年3月に開業予定だ(出所:北海道日本ハムファイターズ)
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 新球場開業に合わせ、フェーズ1として23年3月の開業を目指す周辺エリアの整備についても、「ほぼ予定通りに進んでいる」と前沢氏。様々なパートナー企業とともに、子どもたちが自由に遊べるキッズフィールド(ミニチュア版のフィールド)や屋内外の「あそび場」、認定こども園、農業学習施設、レジデンス(分譲マンション)などを整備する計画で、118戸のレジデンスは既に90戸が成約したという。2024年にはアクティブシニア向けの賃貸レジデンスやメディカルモールも開業予定だ。

北海道ボールパーク F ビレッジ内には様々な「街」の要素を整備していく。手前がキッズフィールド、右奥に見えるのがレジデンス(出所:北海道日本ハムファイターズ)
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北海道ボールパーク F ビレッジ内には様々な「街」の要素を整備していく。手前がキッズフィールド、右奥に見えるのがレジデンス(出所:北海道日本ハムファイターズ)
北海道ボールパークFビレッジ内に整備する農業学習施設の外観イメージ(出所:クボタ)
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北海道ボールパークFビレッジ内に整備する農業学習施設の外観イメージ(出所:クボタ)

 前沢氏は「このハードに負けないソフト、つまりオペレーションやホスピタリティをどうやってハードに見合うレベルまで持っていくかが一番の課題であり、これからの約10カ月でやっていかなくてはいけないことだと思う」と語った。