自治体の協力を得ながら、いち早くコロナ情報サイトを立ち上げ

 「Code for Fukuoka再スタートから3年を経て-シビックテックだからできること-」と題して講演したのは、Code for Fukuoka代表の德永美紗氏だ。

 Code for Fukuokaでは2020年3月、福岡県における新型コロナウイルス感染症の拡大に際して、福岡県版のポータルサイトを公開した。Code for Japanが開発したオープンソースの東京都のコロナウイルス感染症ポータルサイトをベースに、開発を進めてきたものだ。Code for Fukuokaは、福岡県とこれまでも様々な活動を通じて接点があり、今回も感染症に関するオープンデータの提供を受けるなど、立ち上げ当初から県と連携を図ってきたという。德永氏が代表となり2018年3月に再スタートしたCode for Fukuokaにとっては、ちょうど3年目を迎えるという節目の時期の取り組みでもあった。

 サイトは2020年3月31日にオープンし、Code for Fukuokaが運営を担った。県など自治体が感染症対策に奔走し情報発信に手が回り切らない中、德永氏らは情報を可視化する活動を展開。サイト公開から約1週間後に6万ビューを超えた。市民から多数のコメントがサイトに寄せられるなど関心を集めたという。

 このポータルサイトは2021年4月末にクローズした。「県が新たにコロナ対策サイトを立ち上げ、そちらの情報が拡充されてきたことで当初の役目を終えた」(德永氏)と判断したためだ。福岡県とも協議した結果、サイト終了告知後1カ月間の猶予を設けた上でポータルサイトを閉じた。

いち早く福岡県の新型コロナウイルス感染症の情報ポータルを構築。一定の役割を果たし、クローズした(当日の德永氏の発表資料より)
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 コロナ情報サイトをいち早く立ち上げた経験を踏まえ德永氏は、「シビックテックのよさは、災害などが起きた時、身を守るための情報を集める仕組みや、こういう市民サービスがあればいいなという思いからお試し版を自分たちの手で素早く作れることだ」と語った。そして、行政との信頼関係を育みつつ、シビックテックはスピード感のある対応ができるように、いつでも身軽にしておく重要性を指摘した。今後Code for Fukuokaでは、公園アプリの開発再開や教育関係、文化財保護活用など視野を拡げつつ活動を進めていきたい考えだ。

德永氏が考えるシビックテックの役割(当日の德永氏の発表資料より)
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Code for Fukuokaの今後の活動(当日の德永氏の発表資料より)
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