中央省庁でSIBの取り組みが活発化、自治体は広域連携も

 続いてケイスリー代表取締役の幸地氏による発表が行われた。同社は、経済産業省、厚生労働省、総務省、法務省など政府によるSIB推進事業に多数関わってきた。自治体における導入も支援しており、現在は、県と市町村によるSIBの広域連携など、先進的なモデル事業の検討にも携わっている。今回は、これまでの国内のSIB事業の動向と、すでに成果が出始めている八王子市と神戸市の事例を紹介した。

 中央省庁では、経済産業省が3年前から、厚生労働省は昨年からモデル事業を開始し、今年度は法務省も検討を開始するなど、活発な動きが見られる。自治体も、各所でSIBや成果連動型の事業の導入や導入検討が進んでいるという。

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中央省庁の主なSIB/成果連動型事業の関連動向(資料:ケイスリー)

 先行する八王子市と神戸市の事例は、いずれもヘルスケア領域の複数年度にまたがる取り組みで、八王子市は大腸がん検診受診率向上、神戸市は糖尿病性腎症重症化予防にSIBを活用している。

 八王子市は、3年間で約1000万円を投じる事業で、成果指標は大腸がん検診受診率、精密検査受診率、早期がん発見者数の3つ。神戸市は、3年間で約3000万円の事業規模で、成果指標はプログラム終了率、生活習慣改善、腎機能低下の抑制の3つを設定した。両市とも、1番目の指標については既に成果が出ているという。「事業規模は1000万円と3000万円で、欧米の事例と比べると小さいが、この規模から始めて、今後、規模拡大を進めていければと考えている。八王子市の事例はパッケージ化して、他地域への横展開を進めている」(幸地氏)。

 また、最近の新しい取り組みとして、ある県と市町村で進めている広域連携による事業モデルを説明した。「県と市町村による垂直型の広域連携モデルで、事業者も公募する形で進めている。規模が拡大できれば、評価や調達など本来なら各自治体でかかるコストを、共通コストとしてまとめて圧縮できる。連携・集約により、規模の小さい自治体がSIBに参加しやすくなるメリットもある」と、幸地氏は説明する。

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SIBの広域連携モデル概要の概要(資料:ケイスリー)