「新・公民連携最前線」では、「シティブランド・ランキング ―住みよい街2021―」の調査データと総務省の人口データを基に、全国の349市・区を対象に「子育てのしやすさ」について評価、ランキング化を行った。「自治体子育てランキング」TOP100を公開する。1位は印西市(千葉県)、2位はつくば市(茨城県)、3位は千代田区(東京都)だった。

●評判と実績で見る「自治体子育てランキング」【総合】TOP10
順位 自治体名(都道府県名) 合計ポイント*
* 次ページ以降で総合TOP100詳細ランキングを公開
|総合TOP100(1~50位)|総合TOP100(51~100位)|「住民の評判」TOP50|「実績」TOP50|
1 印西市(千葉県) 98.04
2 つくば市(茨城県) 96.60
3 千代田区(東京都) 95.93
4 港区(東京都) 95.71
5 中央区(東京都) 95.28
6 野々市市(石川県) 94.28
7 箕面市(大阪府) 93.52
8 長久手市(愛知県) 92.98
9 流山市(千葉県) 91.99
10 吹田市(大阪府) 91.47

 今回の調査は、2021年8月に発表した「シティブランド・ランキング ―住みよい街2021―」の対象となった全国の349市・区を対象に実施した。「子育てのしやすさ」の評価は、子育てに関する「住民の評判」と、0-14歳人口(年少人口)の比率や伸びを基にした「実績」の2つの軸から見ていった。

 「住民の評判」は、働く世代2万4553人を対象に実施した「シティブランド・ランキング ―住みよい街2021―」の調査データを活用。同ランキングの「住みよさ」についての指標38項目のうち、子育てに関連性が高いと考えられる19項目について、5段階で尋ねて加重平均値を算出。各市区の19項目のポイント合計値を偏差値化してランキングを作成。そのうえで、ランキングポイントを付与した(50点満点:1位に50ポイント、最下位に1ポイントを付与)。

 「実績」は、実際に人口に占める子供の多さと、子供の数が増えていることを評価軸とした。具体的には、①総人口に対する0~14歳人口の比率「年少人口比」と、②2016年-21年の5年間での「年少人口の伸び」を評価し、ランキングポイントを付与した。「年少人口の伸び」は、2021年の年少人口と総人口について、それぞれ2016年を基準とした比率を算出し、その比率の差を評価した。総人口の伸びと比べて年少人口の伸びが大きいほど高い評価としている。①②とも25点満点:1位に25ポイント、最下位に1ポイントを付与した。

 「住民の評判」「実績(「年少人口比」および「年少人口の伸び」)」それぞれ50点満点を合わせ合計100点満点として、総合ランキングを作成した。

1位は印西市、千代田・港・中央・の都心3区が4~5位に

 「自治体子育てランキング」総合1位は98.04 ポイントの印西市(千葉県)。「住民の評判」10 位、「実績」を見てみると「年少人口比率」は6位、「年少人口の伸び」も6位と3つの評価軸のバランスがよく上位に入った。

  印西市は「住民の評判」の指標19項目のうち、4項目で1位を獲得した。「子どもを遊ばせる場所が多い」(スコア72.4)、「歩道など交通安全に配慮した道路が整備されている」(スコア76.5)、「公園が多い」(スコア73.6)などだ。

 2位は96.60ポイントのつくば市(茨城県)。「住民の評判」が9位、「実績」では「年少人口比率」は10位、「年少人口の伸び」は25位だった。個別項目では1位の項目はなかったが、「教育機関が充実している」「公園が多い」の2項目で3位だった。

 3位は95.93ポイントで千代田区(東京都)。「住民の評判」は2位、「実績」のうち「年少人口比率」は56位だったものの、「年少人口の伸び」は3位だった。

 ランキング上位を見てみると、政府機関や大企業の本社、金融機関など多く集まる東京都の都心3区が3~5位に連なっているのが目をひく(千代田区・港区・中央区の順)。都心3区は「住民の評判」がよく、7位の港区、11位の中央区とトップレベルにある。「実績」では「年少人口比率」は47~48位だが、「年少人口の伸び」は中央区2位、港区5位、千代田区3位と上位にあり、総合ランキングの順位を上げる原動力となった。

 6位の野々市市(石川県)は、金沢市のベッドタウンとして知られる。今回、「年少人口の伸びは」76位だったものの、「住民の評判」が1位、「年少人口比率」が9位と高く、総合ランキングで上位に入った。「住民の評判」の詳細をみると、「保育所、幼稚園、認定こども園などが充実している/入りやすい」が全国1位、「治安がよい」「日常生活に必要な買い物がしやすい」も1位、「公共料金が安い」が2位と高い評価を得ている。

 7位と10位には、大阪のベッドタウンである箕面市、吹田市が入っている。長久手市(8位)は名古屋市のベッドタウン、流山市(9位)は東京の通勤圏だ。11位から13位には春日市、久留米市、宗像市と福岡市の周辺都市が続いている。

 ただ、大都市の周辺部ならばいいというわけでもない。例えば、実績の指標の1つとした「年少人口の伸び」のワーストランキングを見てみると、ワースト15のうち5つが大阪市の周辺の自治体である。大都市周辺でランキング上位にある箕面市、吹田市は選ばれた結果であると言えそうだ。