4位:小中学校に通えなかった人への教育支援「川口市立芝西中学校陽春分校」

 4位は、川口市立芝西中学校陽春分校(夜間中学校)。埼玉県内初の公立夜間中学校だ。2019年4月に開設した。調査時点で12件の視察を受けている。

 川口市が夜間中学設置に動いたのは、2016年12月に教育機会確保法が成立したことが背景にある。これは、小・中学校における不登校の子供たちの支援を目的とした法律。川口市は外国人や中学校の未就学者が全国的に比べて多く、国籍を問わず小中学校に通えなかった人への教育機会を提供するために、2017年3月に全国に先駆けて夜間中学校の設置を宣言した。

 同校を訪れる視察者からは、夜間中学校設置の目的や経緯、開校後の生徒の構成や課題、開校後のカリキュラムについて尋ねられることが多い。

 同校では、普通の中学校と同じ教科を学習する。外国籍の生徒には必要に応じて日本語の学習も支援する。一週間の授業時間数は20時間、年間の授業日数は約200日。授業料は無料で、教材費や校外活動費は必要となる。

 2019年度は、新入生77人が入学した。内訳は、日本人が30人、外国人が13カ国から47人となった。年齢も10代から80代まで幅広い。同校では数年間で240人の入学を目指している。

 2019年10月の時点で、全国的に夜間中学は33校ある。文部科学省は、各都道府県に1校以上の夜間中学校の設置を目標としているが、教育機会確保法が施行されてから設置したのは川口市と千葉県松戸市だけだ。

 日本における不登校の生徒の数は、年々増加している。文部科学省の調査によると、2017年度における不登校児の数は小学生で3万5032人、中学生で10万8999人だ。義務教育に相当する年齢にありながら不就学の外国籍の子供も、約2万人いる。今後、こうした子供たち、あるいは訪日外国人に対する教育支援の施策として夜間中学校の設置は増えていくだろう。