2019年10月3日、4日の両日開催された「京都スマートシティエキスポ2019」(会場:けいはんなオープンイノベーションセンターほか)。10月3日には、事前に地域課題を公開していた自治体と、IoTを活用したソリューションなどを提案する企業が情報交換する「IoTデザインハブ」が実施された。

「IoTデザインハブ」参加7自治体の課題(概要)
「地域IoT官民ネット」のIoTデザインハブの紹介ページより

 地域IoT官民ネットは、IoT推進に意欲的な地方自治体、IoTビジネスの地域展開に熱心な民間企業、総務省などの連携により設立された組織体だ。事務局を総務省情報流通行政局情報流通振興課および地域通信振興課が務める。同団体では、国内におけるIoTの地域実装を推進するため「IoTデザインハブ」というマッチングイベントを2017年から開催している。2018年度以降は、地域課題を抱える自治体と、IoTを中心とするICTを活用したノウハウの共有やソリューション提案が可能な民間企業とのマッチングを進めてきた。

 2019年度は、4月上旬から6月下旬にかけて、IoTを活用して地域課題の解決を希望する自治体を募集。応募内容を精査して、7月下旬に7つの自治体名と課題が公開された。

 課題が公開されたのは、北海道富良野市、秋田県湯沢市、神奈川県湯河原町、長野県伊那市、京都府城陽市、高知県四万十町、熊本県玉名市の7市町。防災、観光、働き手不足の解消(IoTを活用した生産性向上)といった地域の課題が浮かび上がった。

自治体の課題に対して15社からソリューション提案

 公開された課題に対して、9月上旬までに企業からソリューション提案を受け付けた。各自治体はマッチングを希望する企業を選定した。

 マッチングイベントには15企業が参加した。京都スマートシティエキスポ2019会場に設けられた各自治体のブースでは20分の時間が割り当てられ、自治体は企業からIoTやICTを活用した提案内容の説明を受けた。

京都スマートシティエキスポ2019会場でマッチングが行われた。参加企業は以下の通り(配布資料掲載順)。NECネッツエスアイ、防災科学技術研究所、三井共同建設コンサルタント、JTB、さんぴぃす、三菱総合研究所、NTTドコモ、NECソリューションイノベータ、ゼンリン、大日本コンサルタント、ゼンリンデータコム、ソフトバンク、積水樹脂、沖電気工業、Skeed(出所:当日配布資料)
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 以下、各自治体の課題の概略を紹介する。防災に関するテーマを挙げたのは、秋田県湯沢市、長野県伊那市、高知県四万十町だ。

 豪雪地帯を擁する秋田県湯沢市では、スキー場跡地の有効利用を住民から要請されていたが冬季の雪崩発生が懸案だった。そこで、「雪崩予測に向けたモニタリングの導入と人材育成」「IoT機器導入における地域企業との協業体制」「取得情報の共有方法及び周知体制の構築」を中心に提案を企業に求めた。

 一方、地勢的に河川氾濫や土砂崩れなどの自然災害が起こりやすく、南海トラフ地震による津波対策に取り組む高知県四万十町、また、近年の豪雨災害などで被災した長野県伊那市では、災害時に自ら情報を得られなかったり避難が困難であったりする災害時要配慮者(避難行動要支援者)への支援を課題に挙げた。

 他方、観光をキーワードとする課題を掲げたのは、北海道富良野市(基幹産業の「農業」「観光」を支える20~30歳代の子育て世代の生産性(働き方)改革)、神奈川県湯河原町(観光入込客数(日帰客・宿泊客合計)の増加)。

 また、働き手不足の解消(IoTを活用した生産性向上)は、北海道富良野市(同上)、京都府城陽市(新規立地企業及び既存市内企業の深刻な人手不足)、熊本県玉名市(保育士の担い手不足:待機児童の解消)だった。