MaaSの実証実験を日立市で今冬に実施

 ICTを活用して、あらゆる交通サービスを運営主体に関わらずシームレスにつないで提供するMaaSは、公共交通各社で実証事業が進んでいる。そうした中、松本氏が特に注目しているのがAIオンデマンドバスだ。AIオンデマンドバスでは、街中にいる利用者がそれぞれ、どこからどこへ移動したいか、リクエストをスマホアプリ経由でバス会社側へ送信する。そうして届いた複数のリクエストに効率よく応えられる運行ルートを、AIが設定する。

MaaSの導入により、ユーザーは様々な交通サービスの予約・決済などを1つのユーザー・インタフェース(スマホアプリなど)から行える。こうして公共交通が便利になれば、利用者が増えて持続可能性が高まる(松本氏の講演資料より)
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 路線バスよりも多くの停留所が必要になるが、リクエストのない停留所には止まらないので、効率が高まる。乗客の待ち時間が減って利便性が上がるため、乗車機会の増加が見込める。高効率な運行と乗客数の増加が実現すれば、バス会社も収益が上がるので「地域交通の持続可能性を支えるサービスになりうる」(松本氏)。

 MaaSについても、みちのりHD傘下の茨城交通が、日立市で2019年冬から実証実験を行う。国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定されたもの。日立市および周辺圏域の交通サービスをデジタル的に一つのサービスに統合し、デマンド型交通を提供する。日立市や茨城大学、乗換案内アプリなどを提供するジョルダン、多くの通勤ニーズを生む地元企業の日立製作所などと連携して行う予定で、協議が進んでいる。