●東京都八王子市

 東京都八王子市の人口は約58万人。都内市町村で最も多い数字だ。それだけの人口を抱えると、様々な行政サービスを手厚く行うには限界もあることから、同市では自分で自分を守る「セルフマネジメント」を介護予防の中核と位置づけている。

 高齢者が自らの力で、これからも自分らしく歩いていけるように、「役所がやるのは自立のきっかけをつくり、持続を後押しすること」と同市福祉部高齢者いきいき課主任の辻誠一郎氏。とはいえ、何をすれば健康でいられるか、例えば、運動や社会参加などが良いことは一人ひとりがある程度分かっていても、そもそも健康に無関心だったり、健康行動が継続しない人が大勢いるのも事実だ。

東京都八王子市福祉部高齢者いきいき課の辻氏
東京都八王子市福祉部高齢者いきいき課の辻氏
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 そこで同市がベンチャー企業に求めるのは、健康無関心層を含む多数の高齢者が「無理なく」「楽しく」「いつまでも」自分の健康を守れる仕組みだという。提案に当たっては、マンパワーを含めたコスト面の合理化を進めるべく、「ICTの活用は不可欠」かつ「2023年度を目途にビジネスとしても『自立と持続』できていること」を要件に課した。加えて、既に実施しているボランティアやイベント参加への共通電子ポイントの仕組みなどもうまく取り込むよう要望した。

 辻氏が事業イメージの一例として挙げたのは、個人の健康管理とポイント管理に加え、市と利用者、利用者相互などでコミュニケーションが取れるツールも一体化されたアプリの開発など。最適なものが登場すれば、市の公認アプリとする方向だ。なお、そうしたものを開発してビジネス化するに当たっては具体的に、①「健康提案」機能でおすすめする高齢者向けサービスからの広告料、②電子商品券の対象となる店舗からの協賛金、③助け合い機能を使う利用者による「課金」といったイメージも示した。