●東京都西東京市

 2001年に東京都の旧・田無市と旧・保谷市が合併して誕生した西東京市は都心のベッドタウンとして発展してきた。現在、人口は20万人。65歳以上人口は今後一貫して増加し、特に85歳以上高齢者は増加率が高い。市民の居住継続意向が高く、2017年に行った市民意識調査によると、「住み続けたい」と回答した割合が60歳代で79.2%、70歳以上で80.8%だった。

 そんな西東京市は以前から東京大学高齢社会総合研究機構と連携して高齢者のフレイル(虚弱)予防に力を入れてきた。特筆すべきはその活動の推進役を担うのが市民サポーターである点。高齢者に自らがフレイル状態であることを早めに気づいてもらうために実施するフレイルチェックならびにその結果説明を、地域の元気シニアが担っているのだ。彼らは「フレイルサポーター」と呼ばれる。

 こうしてフレイル予防に積極的に取り組んできた同市だが、折からのコロナ禍で、外出自粛が求められ、フレイル予防の3要素のうち、特に運動の機会や人と話す機会が減ると、高齢者の運動量の低下や栄養の低下が顕著に認められるようになった。そこで様々な対策を実施するも、その後、外に出始めた高齢者と、コロナ感染を恐れまだ外に出られなかったり既にうつ傾向などの心身の低下が表面化している高齢者との間には大きなギャップがある。

東京都西東京市健康福祉部高齢者支援課在宅療養推進係の徳丸氏
東京都西東京市健康福祉部高齢者支援課在宅療養推進係の徳丸氏
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 そんな課題を解決するべく西東京市が求めるソリューションは、①コロナ下でも外に出たくなる、②出られない人には室内でフレイル予防できるorしたくなる――というもの。求めるソリューション例として同市健康福祉部高齢者支援課在宅療養推進係主任の徳丸剛氏が掲げたのは、VRなどを活用した高齢者の外出意欲を高めるミニ講座の実施や、アプリで高齢者同士やサポーターと繋ぎ、交流手段や地域で見守り体制を構築する仕組みだ。

 現在、西東京市のフレイルサポーターは119人。「ベンチャー企業による新たなソシューションは、地域のインフルエンサーでもあるフレイルサポーターとの連携で、地域にしっかり浸透するのでぜひ提案をお待ちしています」と徳丸氏は締めくくった。

 さて、今回のガバメントピッチの登壇自治体に対するベンチャーからの提案の募集締め切りは11月6日(金)13時まで。関東経産局ウェブサイトから提案用紙(Ecel)をダウンロードの上、ガバメントピッチ事務局(有限責任監査法人トーマツ)宛てにメールで提出する(詳細はこちら)。

 関東経産局によると、ヘルスケアの課題解決に向け、自治体からベンチャーにニーズを投げかけるこうしたガバメントピッチの開催は今回が初めてとのこと。今年の冬には、介護事業者が抱える課題に対してベンチャーがソリューションを提案する形式のピッチも予定している。