スマートシティ推進の課題を共有

 パネルディスカッションでは、スマートシティを推進する上での課題や留意点も指摘された。

 「都市の課題を個別ではなく包括的にとらえることが重要だ」と強調したのは、国土交通省都市局 都市計画課都市計画調査室課長補佐の酒井祐介氏。

 「国交省ではこれまでもエネルギーを中心にした個別分野の取り組みがあったが、都市はいろいろな課題を抱えている。分野横断的に対処していなければならない。例えば、地方の道路を拡張すれば交通渋滞は解消するかもしれないが、その結果『車での移動が便利になったから』と住民の歩く習慣が減れば健康上の問題が生まれるかもしれない。全体を考えた政策が必要だ」(酒井氏)。

 2012年頃からICTを活用したまちづくりや様々な実証実験を行ってきた総務省では、センサーを活用した鳥獣被害対策などの成功モデルが得られたという。「2017年からは、これまでの個別の取り組みではなく、それぞれの分野を横断し、より高度なまちづくり『データ利活用型スマートシティ』を自治体と進めている」(総務省 情報流通行政局 地域通信振興課 課長補佐 吉田智彦氏)。「データ利活用型スマートシティ推進事業」には2019年度採択分を含めてこれまで13団体(自治体)を採択している。

データ利活用型スマートシティの概念(資料:総務省)
[画像のクリックで拡大表示]

 「スマートシティアーキテクチャにおける、都市OS(*2)やデータ連携基盤の実装に関する知見を各自治体で共有できるように支援したい。都市OSを実装する取り組みを積極的に採択したいと考えている」と吉田氏。

*2 都市OSとは、スマートシティにおけるサービス(ビジネス)とアセット(データリソース)を標準APIを介して円滑に接続するための共通基盤。相互接続に必要な機能やデータモデルなど体系化したアーキテクチャのこと。