茨城県:自動車依存度が高い地方都市におけるMaaS(Mobility as a Service)

茨城県産業戦略部技術振興局科学技術振興課課長の宮本善光氏(写真:行友重治)

 茨城県は、つくば研究学園都市をフィールドに、誰もが安心して安全に移動することができるまちづくりを進めている。茨城県と筑波大学が主体で運営する「つくばスマートシティ協議会」の提案内容が、スマートシティモデル事業(所轄:国土交通省都市局都市計画課)と、新モビリティサービス推進事業 (所轄:国土交通省総合政策局公共交通政策部交通計画課)に採択された。両事業は、つくば市を3つのエリアに分けて行われる予定。実証実験に向けた計画を立案している段階だという。

 「茨城県では中心部の交通渋滞、郊外移動時の自動車への依存度の高さ、高齢者や交通弱者への移動手段の確保、インフラの劣化などの課題を抱えている。つくば市をモデルケースとした課題解決の成果を横展開させたい」と茨城県産業戦略部技術振興局科学技術振興課課長の宮本善光氏は説明する。

 新モビリティサービス推進事業では、筑波大学や企業と連携したキャンパスMaaS、医療MaaSなどの実証実験を検討している。

 キャンパスMaaSの実証実験では、広大な敷地面積を持つ筑波大学で、教室間を移動する学生の足として利用される学内バスの混雑緩和に向け、顔認証技術を用いた運賃のキャッシュレス決済を計画している。また医療MaaSでは、つくば駅と筑波大学附属病院を結ぶシャトルバスにおいて駅からのバス乗車時における乗客の顔認証と病院受付との連動、診療費と運賃をワンストップで精算する仕組みなどを検討している。

 「また、交通弱者のための安全な移動手段として、車いす型の移動支援ロボットなどのパーソナルモビリティも検討している。利用者のバイタル情報などのモニタリングにより運転制御を行うというものだ。横断歩道を渡る際に、車いすが信号灯からの色情報を読み取って動作を開始したり、逆に横断歩道の信号が変わる時間を変えたりするようなインフラ構築についても取り組みたい」(宮本氏)。

茨城県が検討しているモビリティ関連のプロジェクト(当日の投影資料より 撮影:柏崎吉一)
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