バス事業者の共同経営、独禁法の適用除外へ

 国交省の蔵持氏は、事業者の協調が進みにくいのは、独占禁止法違反に問われる可能性が一因だと指摘した。

バス事業者の経営統合の推進や特例法制定について語る国交省の蔵持氏(写真:赤坂麻実)

 「地域公共交通網形成計画の策定に取り組んでいる地域を調査したところ、地域内に複数のバス事業者が営業している地域は約6割に上った。運行回数や運行系統などを調整することがユーザーの利便性と経営効率の向上につながるが、交通事業者同士のこうした協調は独占禁止法に抵触する恐れがある。運賃プール制や企業の合併・統合も同様だ」。

 そこで政府は、もはや競争が成り立たない低需要地区では、乗合バス事業者の共同経営(路線、運行間隔、運賃などの設定)が独占禁止法の適用除外となるような仕組み作りを進めている。2019年6月に成長戦略実行計画が閣議決定し、2020年の通常国会に10年間の時限措置として特例法提出を控えている。

 また、日本版MaaS(Mobility as a Service)に関しては、国交省が19地域を先行モデル事業に選定し、実証実験を助成している。蔵持氏は「選定の際、地方からの提案のほうが、内容がユニークなものが多かった」と明かし、「人口密度や自家用車の依存度など地域の背景によって、求められる機能や行政の関与度も違ってくる。地域の特性を踏まえたMaaSを推進したい」と述べた。

「日本版MaaS」の推進方針(資料:国土交通省)
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MaaSの先行モデル事業に選ばれた19地域(資料:国土交通省)
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