八戸市が音頭を取って「分かりやすい」バス実現

 八戸市の畠山氏は、同市や圏域での交通再編の事例を紹介した。市が策定した公共交通再生プランなどに基づいて、事業者間の連携が飛躍的に進んだケースだ。

バス利用者を増やした取り組みを語る八戸市の畠山氏(写真:赤坂麻実)

 八戸駅と中心街を結ぶ6kmのバス区間では、2007年まで各事業者がバラバラに系統・ダイヤを設定しており、平日の運行本数は合計228便に上った。これを2008年に2事業者2系統、10分間隔のダイヤに調整。平日182便と効率的な運行が実現している。他の主だった12の路線でも、等間隔運行やパターンダイヤ運行に切り替えた。

 また、八戸中心街では、3事業者が各方面へのバス停をそれぞれ独自に設置していたのを、2010年に5カ所に再編した。名称も「八戸中心街ターミナル1番のりば」など分かりやすいナンバリングに変更した。

八戸中心街を「屋根のないターミナル」と位置づけてバス停を分かりやすく配置(八戸市・畠山氏の資料より)
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バス路線に番号を割り振り、行先別に色を設定した(八戸市・畠山氏の資料より)
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 さらに、市が3事業者分をまとめたバス路線図「バスマップはちのへ」を作成し、2009年から配布している。「現在は事業者と共同で発行している。2019年からは広域版になった。一連の取り組みで“分かりやすさ”が大きく改善され、バス利用者が増加した」(畠山氏)。

 市内だけでなく、八戸市と周辺7町村の圏域でも交通改善に取り組んでいる。圏域の路線バスの上限運賃を設定する政策を2013年に本格導入。初乗り運賃は上がったものの、最高運賃はどの路線でも大幅に下がり、最大で730円安くなる路線もあった。「効果はてきめんで、圏域の人口が減る中でバスの輸送人員は増え、運送収入も下げ止まった」という。