京都府:産業廃棄物の最終処分量削減にセンサー活用

[画像のクリックで拡大表示]
京都府 環境部 循環型社会推進課 技師の廣田純一氏(写真:山本尚侍)

 2020年度までに、産業廃棄物の最終処分量(推計値)を現状の約11万トンから7.5トンに削減する目標を立てている京都府では、産業廃棄物のリサイクルを促進するために民間企業と連携している。そこでのスマートセンサーを活用した取り組みを紹介した。

 「プラスチック樹脂などは、ある程度の量が確保できれば有価売却できるほか、固形燃料などにリサイクルできる。リサイクルできれば最終処分量も減らせる」と廣田氏は見る。

 しかし、プラスチック樹脂などのリサイクルは、なかなか進まない面もあると廣田氏はいう。製造業などを営む排出事業者がリサイクルしようとしても、ある程度の量の産業廃棄物を貯めなければ収集運搬事業者は買い取ってくれない。回収業務を行う収集運搬事業者の採算が合わないためだ。とはいえ、排出事業者の側では、たくさんの産業廃棄物を保管するスペースの確保が容易ではないのが現状だ。

 ならば、1カ所で集める量が少なくても、どこにどれだけの廃棄物があるのかを把握できれば、収集運搬業者は効率的な回収ができ、採算ベースに乗せることが可能になるのではないか――。そう考えた京都府では、産業廃棄物保管量を測定するためにセンサーと通信設備を用意、同時に収集したデータから効率的な収集運搬ルートを提示するシステムを導入して実証実験を行い、理想とするリサイクルの構想モデルの効果検証を実施した。

 京都市内の一部エリアの製造業を選定し、廃プラスチック類を対象に、NTTビジネスソリューションズ、NISSHA、エックス都市研究所、シンクアンドアクトへ調査を委託した。京都府はリサイクルや処分に関わる各主体をつなぐ役割を担った。

[画像のクリックで拡大表示]
京都府におけるスマートセンサーを活用したリサイクル促進の構想モデル(資料:京都府)

 収集したデータを分析した結果、収集運搬業者が効率的な収集をすることにより、人件費やガソリン代のコストカットにつながることが分かった。また、排出事業者側も、センサー利用料が月額1700円の場合、年間委託量が7.5トン以上でセンサー導入にメリットがあることが試算された。「ただ、現状では、排出事業者側のメリットが小さく、リサイクルを優先的に選択する環境や受け皿の整備が必要だ。今後も構想モデルを普及させるために取り組んでいく」(廣田氏)。

 京都府ではほかに、IoT技術を活用して、排出事業者側にリサイクル業者側の受け入れ可能量に関する情報を提供し、排出事業者とリサイクル業者のマッチングを促す下水汚泥などのリサイクルの検討も進め、2017年度からフィジビリティ・スタディを行っているという。