加古川市:行政情報ダッシュボードで市民に情報を伝える

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加古川市企画部情報政策課副課長の多田功氏(写真:山本尚侍)

 「子育て世代に選ばれるまち」の実現に取り組む兵庫県加古川市。まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいて、市民が安心して生活できる環境を、ICTを活用して整備している。

 加古川市では2017年度から、子どもや高齢者に対する「見守りサービス」事業を実施してきた。見守りサービスは、子供や高齢者の位置情報を家族がアプリやメールで確認できるというものだ。

 位置情報の把握は、子供や高齢者が所持する小型のビーコンタグ(見守りBLEタグ。以下、見守りタグ)の検知により実現している。

 加古川市では、2017年度と2018年度に小学校の通学路を中心に、防犯カメラ機能を持つ「見守りカメラ」を市内に約1500台設置した。この見守りカメラには、3社(ミマモルメ、DG Life Design、綜合警備保障)が提供する見守りタグの検知器が内蔵されている。

 見守りタグ検知器は、見守りカメラ以外にも、市内の公共施設、市の公用車(90台)や、共同研究に関する協定を結ぶ日本郵便の車両(176台)にも搭載されており、タグを所持する子どもや高齢者の所在を市で一元的に可視化できる仕組みだ。

 さらに、市民がスマホにインストールして利用できる加古川市の行政情報アプリ「かこがわアプリ」にも、見守りタグの検知機能が搭載され、見守りタグの検知機能をONにしたスマホを持つ市民が見守りボランティアに加わることで、見守りタグの検知率が向上できると見込む。多田氏によると本講演時点でかこがわアプリのダウンロード数は約9000件、ユーザー数は2050人を数えるという。

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子どもや高齢者の居場所を家族などに知らせる「見守りサービス」のイメージ(資料:加古川市)

 こうした先行事業で知見を蓄える中、加古川市では2017年度に総務省の「データ利活用型スマートシティ推進事業」の採択を受けた。そして複数分野のデータの収集・分析などに用いるデータ利活用基盤(プラットフォーム)をオープンソースの基盤ソフトウェア「FIWARE」を活用して整備した。

 「市民の皆さんは市の正確な情報を求めている。市は情報を市民の皆様にいかに伝えるか。加古川市の行政情報ダッシュボード( https://gis.opendata-api-kakogawa.jp/)や、かこがわアプリはそのためのツール。市からの情報を伝えるプッシュ機能も備える。平時も災害時も使っていただけるように機能などを拡充し、適切な情報をお届けしたい」(多田氏)。

 上記ダッシュボードでは、各種の加古川市オープンデータだけでなく、e-Stat(政府統計の総合窓口)やRESAS(地域経済分析システム)などの外部データも取り込んで表示することができる。

 多田氏によれば、他の自治体への横展開を見据えて、データ利活用基盤で提供される共通APIやIPA(情報処理推進機構)が普及を促す共通語彙基盤に基づくデータ項目の整備などを進めているという。

 「今後も、データをいかに市民に還元していくかを考え、市民の満足度や幸福度を高めるような施策を進めたい」(多田氏)。