かほく市:高級ぶどう品種の熟練生産者の技術をIoTで可視化

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かほく市産業建設部長の瀬戸一孝氏(右)と石川県農業総合研究センター農業試験場砂丘地農業総合研究センター主任技師の山内大輔氏(左)(写真:山本尚侍)

 石川県かほく市は、古くから水稲や果樹の栽培が盛んな地域。近年は鮮やかな赤色が特徴で国内最大級の大粒のぶどう「ルビーロマン」の生産が行われている。総務省のIoTサービス創出支援事業(2018年度)に採択され、かほく市をフィールドにブドウ「ルビーロマン」の栽培に必要な熟練の技術を見える化することを目指して取り組んでいる。

 「ルビーロマンは1房3〜5万円で売られる高級品になった。しかし、巨峰やシャインマスカットの商品化率は80~90%と高いが、ルビーロマンは生産者の6割が商品化率50%未満にとどまる。作るには熟練した技術と経験を要するためだ。そこで、上手な熟練生産者の技術をIoTによって可視化し、継承したいと考えた」(山内氏)。

 進めているのが、熟練生産者の知見を農業従事者に伝える学習支援システムの構築だ。熟練生産者の圃場に、気温、湿度、照度、土壌温度などの環境データを収集する各種センサーを設置し、取得したデータは無線技術であるLPWA(Low Power Wide Area)を用いて集約し、収穫量との相関関係を分析する。また、圃場で熟練生産者の栽培方法を撮影、記録し、栽培のポイントを調べる。「本格的なデータ分析はこれからだが着実に成果を出したい」と山内氏は語る。

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熟練生産者の「匠の技」を伝えるIoTを用いた技術指導モデル(資料:かほく市)

 ほかにも、熟練生産者などが控える指導拠点と圃場とを結んだ遠隔指導も試みている。圃場から送られてきた映像をチェックし、指導拠点から農業従事者に送られた指示に基づいて作業を実施するという。