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トップダウンを期待される首長がビジョンと課題を共有

「官民連携事業の推進に向けた首長意見交換会(関東ブロック)」から(前編)

小口 正貴=スプール【2016.12.9】

10月21日に東京都内で「官民連携(PPP/PFI)事業の推進に向けた首長意見交換会(関東ブロック)」が開かれた。関東地方の5自治体の首長が参加した。前編では、3自治体の首長の発言概要を紹介する。茨城県つくば市の市原健一市長(意見交換会開催当時)は研究学園都市の拠点再構築事業について、東京都武蔵野市の邑上(むらかみ)守正市長はDBO方式のクリーンセンター整備について、神奈川県湯河原町の冨田幸宏町長は温泉街の緑地公園の再生計画について、それぞれ説明した。

意見交換会の様子。左からコーディネーターを務めた根本祐二・東洋大学経済学部教授、コメンテーターの中川雅之日本大学経済学部教授、(間を空けて)市原健一・つくば市長、邑上守正・武蔵野市長、冨田幸宏・湯河原町長、宮本泰介・習志野市長、松本武洋・和光市長、国土交通省の藤田耕三・総合政策局長(写真:小口 正貴)
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 「官民連携(PPP/PFI)事業の推進に向けた首長意見交換会」は、国土交通省と内閣府が主催したもの。「平成28年度 官民連携事業の推進のための地方ブロックプラットフォーム」における活動の一環であり、関東ブロックで実際に事業を進めている5市町の首長が登壇した。

 今回参加した自治体は、報告した順に茨城県つくば市、東京都武蔵野市、神奈川県湯河原町、千葉県習志野市、埼玉県和光市。報告に先立ち、コーディネーターの根本祐二・東洋大学経済学部教授が今回の主旨について触れた。

 根本氏はまず、「自治体がPPP/PFIを推進する上では首長によるトップダウンが1つのアプローチとして非常に有効。今回参加した自治体に数多くの案件が生まれている事実からは、リーダーのビジョンが重要だということがわかる」と述べた。続けて地方ブロックプラットフォームについて、「鉄道のプラットフォームと同じで、プラットフォームそのものは動かない。ここからさまざまな電車が出ていく。だからプラットフォーム運営を目的にするのではなく、あくまでも具体的な案件をどんどん立ち上げて動かすことが大事になる」と指摘した。以下、各自治体のこれまでの取り組みと、そこから見えてきた課題を紹介していく。

茨城県つくば市の市原健一市長(意見交換会開催当時)
――研究学園都市の老朽化への対応

 最初に報告したつくば市は人口約23万人を抱え、今回の市町の中では最も規模が大きい自治体である。市原健一市長(意見交換会開催当時)によれば、つくば市は「旧来の住民が住んでいる地域、四十数年前に開発が始まった研究学園都市、2005年に開通したつくばエクスプレス沿線開発による地域」と3つの特徴がある地域を持つという。

つくば市の市原健一市長(写真:小口 正貴)
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 この中で、急激な歪みが生まれているのが研究学園都市だ。同市の公共施設白書によると市内の公共施設は、その約45%が1974〜84年の11年間に建設された。30年以上経過したものは約54%で、10年後には約76%の公共施設が老朽化を迎える。市では、その当時一緒に建設した多数の公務員宿舎の廃止・売却を進めており、まちづくりを転換する施策を打ち出している。

つくば市の公共建築物の年度別整備状況(資料:つくば市)
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 具体例として紹介したのが、2015年にオープンしたつくば駅前ターミナルビルだ。つくばエクスプレス開業に伴い、駅前広場をバスターミナルとして改修し、ターミナルに隣接する土地を市がビル用地として買収。30年間の定期借地権を設定し、民間デベロッパー(大和リース)が複合ビル「BiViつくば」の建設・運営を行っている。BiViつくば内には、つくば市の観光案内、情報発信施設、筑波大学サテライトオフィスがある。

 もう1つの竹園3丁目地域拠点再構築事業は、これから本格化する案件。公務員宿舎が多い地域を中心に、周辺の小中学校なども含めて再開発を検討する。市原氏は、課題として「住民とのコンセンサスがなかなか得られないこと」を挙げた。ワークショップでは市民から様々な意見が出ており、事業を実施するかの判断はこれからだという。

* つくば市では事業を実施するかどうかの判断を11月に行う予定だったが、延期となっている。

 中心部では空洞化も懸念される。2017年2月にはつくば駅前の西武筑波店が閉店した。市原氏は「空いた施設を民間にどのように使ってもらうか。ただし、建築物の所有者が民間のため、どの程度行政が関われるのか。そして将来的にどのような付加価値をつけていくことが必要なのか」と、まち全体の課題についても言及した。

 コメンテーターの中川雅之・日本大学経済学部教授は、つくば市の在り方に対して「つくば都市圏の中心であり、自分で稼いでいく必要がある」と話し、老朽化した公共施設の建て替えだけではなく、中心都市としてのビジョンを示すことも重要なのではないかと分析した。

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