地域資料を収集、図書館への学術的な信頼を確立

津島市立図書館/NPO法人まちづくり津島の園田俊介氏(写真:神近博三)

 津島市立図書館(愛知県津島市)における地域資料(郷土資料および地方行政資料)の扱いを取り上げたのは園田氏だ。園田氏は13年前に同図書館に赴任して以来、地域資料の収集と研究に取り組んでいる。収集する資料には古文書のほか写真、ビデオフィルム、地域新聞などがあり、図書館のホームページ、書籍、写真集、DVDなどの刊行物、図書館の講座や企画展示を通じて公開している。

 資料の収集や研究の目的は、図書館への学術的な信頼の確立である。「図書館にはリファレンスや課題解決の役割が重視されようになっている。それに応えるには、まず学術的な信頼を得なければならない」(園田氏)。集められた地域資料は、市の審議会、観光ボランティア団体のガイドや商店街の街歩きパンフレット作成の基礎資料、学校の社会科副読本などに利用されている。

市内の学校図書館と連携、横断検索システムも

新庄市立図書館/一般社団法人とらいあの高橋一枝氏(写真:神近博三)

 高橋氏は、市内の学校図書館と新庄市立図書館(山形県新庄市)との連携事業を紹介した。新庄市は、学校図書館支援センター推進事業、ふるさと雇用再生特別基金事業、山形県の緊急雇用創出事業などの助成金を利用して、委託先のNPOや一般社団法人から学校図書館に司書を派遣または巡回させたり、市立図書館と学校図書館の蔵書を横断的に検索できるシステムを開発したりしている。

 2016年に稼働した検索システムは、蔵書の重複を防ぎながら複数の図書館の蔵書を自由に閲覧できるようにする。現在は学校図書館の蔵書を他の図書館に取り寄せる際に、「校長の許可をどうやって得るか」などの運用ルールを検討しているところだという。