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福岡・箱崎のまちづくり、「リビングラボ」でイノベーションを生み出せるか

「FUKUOKA NEXT 都市革新フォーラム」リポート(3)

内川 美彩=チカラ【2016.12.22】

「FUKUOKA NEXT 都市革新フォーラム」リポートの3本目のテーマは、「リビングラボ」。リビングラボとは、欧米で導入が進む、住民(ユーザー)を巻き込み共創型で製品やサービスの開発を進めていく仕組みや拠点のこと。今後、九州大学箱崎キャンパス跡地におけるまちづくりで、リビングラボをどう活用していけるのか。福岡地域戦略推進協議会事務局長の石丸修平氏モデレーターに、3人のパネリストが議論した。

パネルディスカッション「リビングラボ」
  • <登壇者>
  • 小笠原治氏(ABBALab代表取締役、さくらインターネット フェロー、京都造形芸術大学 顧問)
  • 是久洋一氏(九州大学共進化社会システム創成拠点 拠点長)
  • 紺野登氏(多摩大学大学院 教授、一般社団法人Future Center Alliance Japan(FCAJ)代表)
  • モデレーター:石丸修平氏(福岡地域戦略推進協議会 事務局長)
モデレーターを務めた福岡地域戦略推進協議会事務局長の石丸修平氏(写真:内川 美彩)
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 米国で提唱され、北欧で盛んになったとされる「リビングラボ」の取り組み。様々な定義があるといわれるが、概していえばリビングラボとは、新たなサービスや制度など生活に関わるものを検討・開発する際に、住民(ユーザー)を巻き込んで共創型で進めていく仕組みや拠点などを指す。開発の初期段階から住民を交え、アイデアの創出などを含めてイノベーションを共創していくのが特徴だ。

 モデレーターの石丸氏は「リビングラボのような開発手法が世の中の潮流になると、既存のルールでそぐわないものが出てくるだろう。この新しい価値観を実装するために、次に必要になるのは社会制度などの整備だ」と提起した。そのうえで石丸氏は、「箱崎は、リビングラボのような取り組みをゼロから考えていくチャレンジができる場所なのではないか」と指摘した。

有識者それぞれが考える「リビングラボ」

 多摩大学大学院教授で、一般社団法人Future Center Alliance Japan(FCAJ)の代表を務める紺野登氏は、海外の様々なリビングラボの事例を挙げながら、「FCAJでは、リビングラボは社会実験というように考えている」と説明した。紺野氏曰く、共通の大きな目的がないと、リビングラボのようなオープンイノベーションの取り組みはほとんど失敗するという。そのためFCAJでは、現場で社会実験を行う「リビングラボ」の場のほかに、オープンイノベーションに向けた目的やビジョンを作る「フューチャーセンター」、技術と社会を結びつけるためのソリューションを作る「イノベーションセンター」などの場を用意しているのだという。そのうえで「こうした場が連動することでイノベーションは起こる」(紺野氏)と説明した。

FCAJが推進する3つの「場」からなるプラットフォーム連携(写真:内川 美彩)
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 九州大学でICTに基づく新しい街づくり・社会づくりを目指すプロジェクト「共進化社会システム創成拠点」を進めている、九州大学共進化社会システム創成拠点 拠点長の是久洋一氏は、「リビングラボの概念と我々のプロジェクトの活動はつながる部分が多い」としたうえで、技術と社会が共存し、イノベーションを進めていくためには「技術を開発するだけでは足りない」と指摘した。例えば、箱崎で新しいインフラを社会実装していくには、そこでの技術開発の費用負担など、市民にコンセンサスをとることが必要となる。そのうえで箱崎でのまちづくりでは、「実社会から様々なデータを吸い上げて分析をしたうえで、実現可能なプラットフォームを作り上げることがまずは重要だ」と続けた。

 両者の話を受け、IoTハードウェアや付帯サービス開発への支援・投資事業を行うABBALab代表取締役の小笠原治氏は、今の状況を「ルールが邪魔をして入口の部分で止まっている状態」と表現した。既存のルールをベースに一つひとつ問題を見つけて「どう変えていこう」と思案を巡らすことは、当初のコストは小さく感じるが、実はトータルコストが非常に大きく、長期で見ると効率が悪いという。小笠原氏は「既存の法律の範囲内で枠を作るのではなく、『どんなルールがあればみんなが幸せに暮らせるのか』を考えるほうがよいだろう。箱崎のまちづくりはゼロベースで考え、今までにない形のものがブラッシュアップされていくことを望んでいる」と語った。

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