山口フィナンシャルグループとグループ企業の山口銀行、YMFG ZONEプランニングは2018年11月20日、「下関北九州道路PPPセミナー in 下関」を開催した。下関北九州道路は、本州・九州間の山口県下関市と福岡県北九州市を結ぶ“第3の関門道”として構想されている道路だ。現在、2県2市、経済界、国の地方整備局を構成員として設立した「下関北九州道路調査検討会」において、下関北九州道路をPFI的手法で整備する検討が進められている。このリポートでは第1部の模様をお伝えする。

 セミナーのテーマは「有料道路整備・運営事業へのPPP活用による地方創生」。下関北九州道路整備に関する情報をより多くの地元企業などと共有すると同時に、単なる道路整備事業にとどまらず、PPP事業による一層の地域活性化につなげる契機とする狙いだ。

関門橋と関門トンネルが老朽化、「下関北九州道路」が必要に

「下関北九州道路PPPセミナー in 下関」の様子。第1部最初の講演に登壇した山口県下関土木建築事務所次長の仙石克洋氏(写真:YMFG ZONEプランニング)
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 まず、山口県下関土木建築事務所次長の仙石克洋氏が登壇。「下関北九州道路について」と題し、検討のベースとなる現在の本州と九州を結ぶ道路状況と問題点、下関北九州道路の整備による問題解決の効果などについて講演した。

 下関市・北九州市の両市は合わせて人口120万人を超える都市圏を形成しており、両市間で通勤・通学などで約1万人が毎日行き来している。またアジア各国が近く、国際的な物流拠点としても重要なエリアとなっている。その一方で、現在下関・北九州間の道路は関門橋と関門トンネルの2ルートがあるものの、どちらも老朽化が問題となっていると指摘した。「関門トンネルは事故や補修工事による通行止めが多発。2日に1回以上の頻度で通行止めが起こっている」と現状を説明する。

 本州と九州を結ぶ2ルートのうち片方が通行止めになると、国道2号・3号・199号などの幹線道路の渋滞につながり、物流や交通に支障を来すことになる。しかも、産業の重要な基盤となるはずの関門トンネルでは、トンネル内での危険物積載車両の通行が禁止されている。そのため関門橋が通行止めになった場合に、そうした貨物を本州・九州間でそのまま陸路で運べないという問題も生じる。こうした現状を踏まえ、関門トンネル、関門橋に次ぐ、第3の関門道として下関北九州道路の検討が始まったのだと、仙石氏はこれまでの流れを整理した。現在、橋梁案やトンネル案による検討が進んでいる。

 仙石氏は、下関北九州道路の開設により、生活面では両市の交流人口の増加、通勤、買い物などの利便性の向上で人々の定住化を促進できる見込みだと説明する。また産業・物流面では関門橋・関門トンネルの代替となることで交通の便が良くなり、生産性の向上、新たな企業間の取引が増える可能性があるという。こうした状況から仙石氏は、「下関北九州道路は九州と本州をつなぐ夢の架け橋となる重要なプロジェクト。必ず成功させたい」と語った。

下関北九州道路における「ルートの基礎的検討」の状況(資料:下関北九州道路調査検討会)
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下関北九州道路における「整備手法の基礎的検討」の状況(資料:下関北九州道路調査検討会)
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