[加賀市(石川県)]エストニアを参考にポストコロナに向けた都市を

 2020年3月には「加賀市スマートシティ宣言」を行った加賀市。2020年8月には行政手続きのデジタル化サービスを開始した(関連記事)。2020年度内には50種類の申請手続きをオンラインで可能にする予定だ。

加賀市の宮元陸市長の講演の様子。投影資料は2020年8月に開始した行政手続きのデジタルサービスの説明(講演のオンライン画像より)
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 「かつて加賀百万石の支藩の城下町として栄えた加賀市は、最盛期には400万人の宿泊客が訪れる観光地として、また部品メーカーなどものづくり企業が集まる地域として活況を呈した。しかし状況は変わった。2014年に加賀市は日本創生会議の公表した消滅可能性都市の1つに数えられた。以来、新たな産業集積の柱となる、第四次産業革命を見据えたイノベーション施策を掲げ、挑戦してきた」と加賀市の宮元陸市長は述べた。

 2016年度には、経済産業省の第1回地方版IoT推進ラボの選定を受け、スマート加賀IoT推進事業をスタートさせた。

 「目指したのは、IoTデジタル人材の育成と、先進テクノロジーの導入だ。もともと加賀市では、地域を支えるのは人だ、と考えて育成に力を入れてきた。2015年度から小中高生がロボットプログラミング技術を競うロボレーブ国際大会への会場提供や運営支援をはじめ、2016年には小中学校でプログラミング教育をいち早く実施した」(宮元市長)

 加賀市役所は、市民や企業をつなぐプラットフォームとしての役割を果たしている。2018年には、地方創生推進交付金事業により、産業人材や産業創出の拠点として加賀市イノベーションセンターを開設させた。2020年4月に同センターにはNTTドコモによって5G基地局が整備されている。

 そして官民連携による挑戦の実証フィールドとして、チャレンジを後押しするルールや認証基盤などのインフラの整備にも注力してきた。2018年にはブロックチェーン都市宣言をし、さまざまな民間企業との連携や協定を進めてきた。

 「ポストコロナへの挑戦が本格化している。皆様には、加賀市の旅館を活用した長期リモートワークなど、多拠点居住による新しい働き方を提案したい。エストニアのe-residencyを参考に、仮想市民としてサービスを受けられるスキームを検討している。消滅可能性都市から挑戦可能性都市への転換を目指してさらに取り組む」(宮元市長)