日経BP総研が運営するウェブサイト「新・公民連携最前線」が、全国の市町区村を対象に実施した「健康づくりと介護予防や病気予防に関する取り組み度調査」。このうち、<カテゴリー1>(「健康日本21(第二次)」関連)の設問(全29項目)について、各設問ごとの集計・分析結果(全体・エリア別・人口規模別)を公表する。このカテゴリーでは、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針の中に盛り込まれている「健康日本21(第二次)」の目標項目(あるいは類似項目)のうち、特に市区町村が取り組むべきと考えられる項目について聞いた。

健康寿命の延伸に向けた取り組み:「行っている・予定」は約4割

(1-1)健康寿命について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、向上させるための取り組みを行っていますか(回答数388)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」が39.2%で、「実施を前提とした計画を持っている」も22.9%にとどまり、「具体的な予定はない」が37.9%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答は、関東が43.7%と最も高く、中国・四国が40%、中部が39.2%、北海道・東北が38.8%、九州・沖縄が34.6%、近畿が34%だった。同様に人口規模別では、50万人以上が77.8%であるのに対し、5万人未満では28.4%にとどまった。

 青森市は、市民の健康寿命の延伸に向け、保健・医療の関係団体、地域の関係団体、学校、企業、事業者、行政などで組織した「青森市健康寿命延伸会議」と連携し、がんや肥満・糖尿病予防対策、たばこ対策の取り組みにおける市民の健康データなどの分析や、市民総ぐるみの健康づくり運動の成果を評価・検証し、予防戦略を推進しているという。2018年11月には「あおもり健康寿命延伸フェア2018」を開催した。

健康診断および特定保健指導の取り組み:近畿エリアは100%で改善を実施

(1-2)胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの5つのがん検診それぞれについて数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、受診率を向上させるための取り組みを行っていますか(回答数397)。

(出所:日経BP総研)

 「5つのがんすべてについて取り組んでいる」が75.3%、「一部のみ取り組んでいる」は16.1%で、「取り組んでいない」は8.6%という回答だった。健康日本21では平成28年の目標を「50%(胃がん、肺がん、大腸がんは当面40%)」としており、この数値を上回る結果になった。

(出所:日経BP総研)

 「5つのがんすべてについて取り組んでいる」という回答をエリア別で見ると、北海道・東北が84.1%と最も高く、近畿(83.3%)、中国・四国(82.5%)、中部(81.3%)、九州・沖縄(72.7%)と続き、関東が60%と最も低いという結果になった。エリア別で取り組みに大きな差があることがわかる。同様に人口規模別では、50万人以上は77.8%と最も高いものの、5万人未満も76%と大きな差はなかった。

 神奈川県大和市は平成21年度に胃がん検診の内視鏡検査を導入したが、国の指針(「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」)に加わるより7年早かった。そのため、胃がん検診の受診率は10年前の約4倍となり、胃がんの発見数も増加し、早期発見・早期治療につながっている。平成30年度からは、子育て世代へのアピールとして保育付きの集団がん検診(乳がん検診、子宮がん検診)を実施し、利便性の向上につながっているという。

(1-3)特定健康診査および特定保健指導の実施率向上について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、改善させるための取り組みを行っていますか(回答数398)。

(出所:日経BP総研)

 「いずれも取り組んでいる」が95.4%と非常に高く、「片方のみ取り組んでいる」(3.8%)や「取り組んでいない」(0.8%)という回答はわずかだった。

(出所:日経BP総研)

 「いずれも取り組んでいる」という回答をエリア別で見ると、近畿が100%で、九州・沖縄(98.2%)、中部(96.3%)、北海道・東北(94.3%)、中国・四国(95%)、関東(92.4%)と続いた。同様に人口規模別では、50万人以上は100%だったものの、大きな差は見られなかった。

 山形市は特定保健指導の欠席者に対し、再度の勧奨通知を行い、さらに保健師や管理栄養士などの専門職による電話勧奨を実施した。事業を始めた平成28年度の実施率は、前年度と比較して10.6ポイント増加したという。

糖尿病や高血圧対策の取り組み:約6割が糖尿病有病者数の減少に数値目標

(1-4)糖尿病有病者数について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、減少させるための取り組みを行っていますか(回答数396)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」が64.4%と最も多く、「実施を前提とした計画を持っている」が13.4%、「具体的な予定はない」が22.2%だった。全体の2割超が取り組みの予定を持っていないことがわかる。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答では、大きな差異が見られた。89.1%と最も高い九州・沖縄に対して、関東は53.8%と、35ポイント以上差がある結果になった。関東は「具体的な予定はない」も29.8%と最も高い。同様に「行っている/平成30年度内に予定している」という人口規模別の回答は、50万人以上が83.3%と、他の規模を約20ポイント上回る結果になった。

 神奈川県平塚市は、平成28年度から「糖尿病重症化予防保健指導」を実施している。特定健診の結果から糖尿病について重症化の恐れがありながらも特定保健指導などの対象とならない市民に対して、食習慣と検査データ改善のための個別の訪問指導と集団での継続保健指導(6日間コース)を保健センターで実施している。また、リバウンド予防のため、平成29年度に継続保健指導を受けた市民に対して3回、平成28年度に同じ指導を受けた市民に対して2回、2年間にわたるフォロー教室を実施し、生活習慣見直しの定着を図っているという。

(1-5)メタボリックシンドローム該当者および予備群の減少率について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、改善させるための取り組みを行っていますか(回答数398)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」が69.9%で、「実施を前提とした計画を持っている」が11.8%、「具体的な予定はない」が18.3%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答では、エリアで大きな差異が見られた。具体的には、九州・沖縄で89.1%と高い一方で、関東は61.9%と低く27ポイントの開きがあった。同様に人口規模別では、50万人以上が83.3%と高く、20万人~50万人未満は66%にとどまった。

 北海道大空町は、6月と11月に実施している集団健診(特定健診・各種がん検診などを含む総合健診)の1カ月後に特定健診受診者に対して結果説明会を実施している。健診結果に応じてグループ学習(メタボ・高血圧・高血糖・高脂質)や個別面接の機会を設定し、身体の中で起きている変化と生活習慣との関連について学習し、生活習慣の改善に向けて何をしていったら良いかなどを、面接を通して住民に考えてもらう機会としている。特定保健指導対象者には初回面接として、情報提供者に対しても情報提供の機会としているという。

(1-6)脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、減少させるための取り組みを行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」が30.4%で、「実施を前提とした計画を持っている」が15.9%、「具体的な予定はない」が53.7%だった。半数以上が具体的な予定はないとしており、「糖尿病有病者数減少のための取り組み」や「メタボ・予備軍の減少率改善のための取り組み」に比べると、取り組みが遅れているのがわかる。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答では、九州・沖縄では61.8%に達している一方で、最も低い近畿は16.7%にとどまっている。同様に人口規模別では、5万人未満が33.9%と最も高く、20万人~50万人未満が23.9%と最も低かった。

(1-7)高血圧の改善について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、改善させるための取り組みを行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」が52.1%で、「実施を前提とした計画を持っている」が14.7%、「具体的な予定はない」が33.2%だった。

(出所:日経BP総研)

「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答では、九州・沖縄が83.6%と飛び抜けて高く、その他のエリアは50%前後だった。同様に人口規模別では、50万人以上が72.2%で最も高く、5万人未満の52.7%が続いた。

 栃木県日光市では市民の多発疾病は「高血圧性疾患」によるものが一番多く、介護予防や医療費削減の観点からも優先課題になっている。「高血圧性疾患」の発病予防のためには、自身の健康状態を正しく把握し、状況に応じて生活習慣の見直し、改善することが必要となる。そのため、生活習慣の中で、特に重要となる食事内容の振り返りをするため、特定保健指導時に尿中塩分量測定を実施し、自身の1日の塩分摂取量を知ることで減塩の動機付けの機会をつくるという。

(1-8)以下の厚生労働省/日本健康会議による5つの基準をすべて満たす糖尿病性腎症重症化予防の取り組みを行っていますか(回答数397)。①対象者の抽出基準が明確であること、② かかりつけ医と連携した取り組みであること、③保健指導を実施する場合には、専門職が取り組みに携わること、④事業の評価を実施すること、⑤取り組みの実施にあたり、地域の実情に応じて各都道府県の糖尿病対策推進会議などとの連携(各都道府県による対応策の議論や取り組み内容の共有など)を図ること。※取り組み方法については、受診勧奨、保健指導、受診勧奨と保健指導を一体化した取り組みなどの中から地域の実情に応じ適切なものを選択。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は80.9%と高く、「実施を前提とした計画を持っている」が8.8%、「具体的な予定はない」が10.3%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答では、九州・沖縄が92.7%と最も高く、他のエリアは80%前後だった。同様に人口規模別では、20万人~50万人未満が91.5%と最も高く、50万人以上が83.3%で続いた。

 千葉県東金市は糖尿病性腎症等重症化予防事業を実施している。対象者に生活習慣改善の必要性を理解してもらうため、減塩(食塩味覚閾値判定3紙検査及び推算塩分摂取量検査)、脱水防止といった腎に関する保健指導を実施し、医療機関の受診勧奨を行う。推算塩分摂取量10g以上の方については結果説明会の2カ月後に訪問し、推算塩分摂取量検査を再度実施する。医療機関未受診者には電話で再受診勧奨を行うという。

 同市では並行して、糖尿病治療者で医療機関から紹介のあった市民や特定健診でHbA1cが基準値以上の市民を対象に参加者を募集し、週1回9カ月の筋力トレーニング、有酸素運動と併せて個別の栄養相談、調理実習、糖尿病についての学習会を行い、生活習慣の改善を図る。参加者全員を対象に、翌年度の健診結果で最終評価をするという。

自殺対策の取り組み:「行っている・予定は」は約8割

(1-9)自殺対策計画を策定していますか(回答数396)。
※厚生労働省「地域自殺対策計画策定ガイドライン」に沿ったものを想定していますが、独自策定したものでも構いません。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に策定予定である」は80.6%で、「策定を前提とした計画を持っている」が14.9%、「具体的な予定はない」が4.5%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に策定予定である」というエリア別の回答は、中部が90%と最も高く、北海道・東北(82.6%)、近畿(81.3%)、中国・四国(80%)、九州・沖縄(76.4%)、関東(74%)が続いた。同様に人口規模別では、50万人以上が100%で、20万~50万人未満が91.5%、5万人~20万人未満が80.5%だった。

 自殺率が非常に高かった岩手県久慈市の自殺対策は、平成13年に県や岩手医科大学の介入調査がきっかけとなり始まった。平成17年には厚生労働省の研究事業のモデル地区となり、研究グループのプログラムに基づき自殺対策を実施した。平成22年には、住民が主体的にこころの健康づくりができるよう人材養成を開始し、ボランティアによる健康相談などを実施している。官民多様な自殺対策を実施したことで、自殺者数は平成17年の22人から平成28年の5人へと減少しているという。

子どもの健康対策の取り組み:人口規模によって大きな差

(1-10)朝・昼・夕の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は26.1%で、「実施を前提とした計画を持っている」も19%にとどまり、「具体的な予定はない」が54.9%と最も高かった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答は、近畿が35.4%と最も高く、中国・四国(35%)、中部(25%)が続いた。同様に人口規模別では、50万人以上が44.4%で、規模が小さくなるほど回答が低くなった。

(1-11)運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数388)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は20.9%で、「実施を前提とした計画を持っている」も12.4%にとどまり、「具体的な予定はない」が66.7%と最も高かった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答は、中国・四国が25.6%、近畿が25.5%で、北海道・東北は13.4%と最も低かった。同様に人口規模別では、50万人以上が61.1%と最も高く、20万人~50万人未満が34%で続いた。

介護予防や高齢者の健康維持の取り組み:近畿エリアは4割が保険給付抑制

(1-12)介護保険給付について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、抑制させるための取り組みを行っていますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は29.1%で、「実施を前提とした計画を持っている」も18.4%にとどまり、「具体的な予定はない」が52.5%と最も高かった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」というエリア別の回答は、近畿が40.4%と最も高く、中国・四国が39.5%、中部が31.3%、北海道・東北が28.6%、九州・沖縄が24.5%と続き、関東は21.2%で最も低かった。同様に人口規模別では、5万人~20万人未満が32.2%で最も高く、最も低かったのは50万人以上の16.7%だった。

(1-13)低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を減少させるための取り組みを行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は14.9%で、「実施を前提とした計画を持っている」の10.4%を合わせても3割に満たない。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中国・四国が20%で、それに中部の18.8%、九州・沖縄の14.5%、北海道・東北の14.3%が続く。人口規模別では、50万人以上は44.4%だが、他の規模は10%台にとどまった。

 長野県佐久市は「フレイル予防等訪問指導事業」で、筋力低下や低栄養などによる心身機能の低下した状態である「フレイル」を予防するため、医療機関と連携を図りながら、複数の専門職による訪問指導を行うという。

 神奈川県大和市は要介護認定を除く65歳以上の市民に介護予防アンケートを実施し、回答者のうち基本チェックリスト項目で低栄養該当者(BMI18.5未満、6カ月で2kg以上の体重減少)を抽出。6カ月を1クールとし、管理栄養士が3回訪問型の栄養相談を実施する。約半数が体重改善し、2年後の重症化率(要介護化、死亡)は1/4にとどまったという。

高齢者の就労や地域活動参加の取り組み:「行っている・予定」は3割未満

(1-14)就労または何らかの地域活動を行っている高齢者の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数396)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は21.3%で、「実施を前提とした計画を持っている」の8%を合わせても3割に満たない。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中国・四国が33.3%で最も高く、最も低かったのは北海道・東北の10.1%だった。同様に人口規模別では、最も高いのが50万人以上の50%で、最も低いのが5万人未満の12.8%だった。

(1-15)(地域や近隣などで)お互いに助け合っていると思う住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数391)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は19.2%、「実施を前提とした計画を持っている」が10.2%で、「具体的な予定はない」が70.6%と最も高かった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、近畿が27.7%で最も高く、北海道・東北の7.2%が最も低かった。同様に人口規模別では、50万人以上が55.6%と半数を超えているのに対し、5万人未満は10.4%と1割程度にとどまる。

日々の健康づくりの取り組み:介護予防の「通いの場」は9割に「ある」

(1-16)健康づくりを目的とした活動に主体的に関わっている住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数392)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は27.8%、「実施を前提とした計画を持っている」が12.2%で、「具体的な予定はない」が60.0%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、近畿が37.5%で最も高く、九州の30.9%、中国・四国の30%が続いた。同様に人口規模別では、50万人以上は50%で最も高く、5万人未満は17.9%と最も低かった。

 東京都荒川区は平成14年度から「荒川ころばん体操・せらばん体操」を実施している。区民が地域の身近な会場に集まり、身体の筋力アップやバランス感覚の向上、歩行能力の改善などを図るための体操を継続的に実施することにより、転倒を予防するだけでなく、運動に取り組むことでフレイルや生活習慣病予防を目指す。26会場で実施し、登録者数1554人、参加者は延べ6万400人という。

 同市が平成28年度に開始した「あらみん体操」は、運動習慣のない働き盛り・子育て世代や前期高齢者をターゲットにし、道具を使わず、いつでもどこでも手軽にでき、「エアロビクス」「筋トレ」「バランス」「ストレッチ」の要素が入ったわずか5分間の体操となっている。仕事や家事、育児の合間や、地域活動の中に取り入れることで、運動を習慣にするきっかけづくりとなり、ロコモや生活習慣病予防を目指す。平成29年度は健康づくり事業、地域におけるイベントやスポーツ大会、職域などで普及啓発を58回実施し、参加者数は3153人。

 東京都あきる野市の「地域イキイキ元気づくり事業」は、「気軽に楽しく笑顔で、元気になれる!~地域でふれあい、健康づくりができる会~」を目指し、看護師・保健師などの市職員が市内49カ所の会館に出向き、地域協力者に運営の協力を得て実施している。健康チェック、軽い体操やレクリエーション、健康ワンポイントアドバイスを行っている。平成29年度は実施回数490回、延べ参加者数はおよそ7500人だったという。

(1-17)介護予防に資する住民運営の「通いの場(※)」はありますか(回答数395)。(※)厚生労働省「介護予防事業及び介護予防・日常生活支援総合事業(地域支援事業)の実施状況に関する調査」の設問にある「通いの場」と同じものを指します。

(出所:日経BP総研)

 「介護予防に資する住民運営の『通いの場』の有無」では、「ある」が90.4%と非常に高い回答になった。

(出所:日経BP総研)

 「ある」のエリア別の回答は、近畿が97.9%と最も高く、中部の93.8%、関東の90.4%が続いた。人口規模別では、50万以上では100%で、最も低い5万人未満でも86.3%だった。

 大阪府熊取町は、住民主体で週1回程度、大阪体育大学監修の体力づくりメニューである「タピオ体操+(プラス)」に取り組む地域の拠点である「タピオステーション」の立ち上げなどを支援する。支援内容としては、大阪体育大学名誉教授の講話、運動指導士による実技指導、言語聴覚士と歯科衛生士による口腔機能向上指導、体力測定などとなっている。

 東京都中央区は、1人暮らしや閉じこもりがちな65歳以上の高齢者などが身近な場所で交流できるサロン「通いの場」を立ち上げ、運営する団体に対し、介護予防に資するプログラムを継続的に実施するための支援を行っている。

(1-18)肥満(BMI25以上)、やせ(BMI18.5未満)の住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を減少させるための取り組みを行っていますか(回答数389)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は51.2%、「実施を前提とした計画を持っている」が18.2%で、「具体的な予定はない」が30.6%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、北海道・東北が58.6%と最も高く、最も低い中国・四国の37.5%とは20ポイント以上の開きがあった。人口規模別では50万人以上が66.7%と最も高く、5万人~20万人未満が56.1%で続いた。

食事などに関する取り組み:食事対策は近畿エリアが積極的

(1-19)1日に2食以上、主食・主菜、副菜を組み合わせた食事をほぼ毎日している住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増やすための取り組みを行っていますか(回答数394)。

(出所:日経BP総研)
(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は36.3%、「実施を前提とした計画を持っている」が24.1%で、「具体的な予定はない」が39.6%だった。

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、近畿の50%が最も高く、九州・沖縄は22.2%と最も低かった。人口規模別では、50万人以上が55.6%と半数を超えたが、5万人未満では24.6%にとどまった。

 長野県松本市は、第3期松本市食育推進計画「すこやか食プランまつもと」を推進する運動として、「1日2食は3皿運動~1.2.3でバランスごはん~」「おいしく食べよう具だくさんみそ汁運動」「よくかむ30かみかみ運動~飲み込む前にあと5回」を展開しているという。

(1-20)食事を1人で食べる子どもの割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を減らすための取り組みを行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は27.6%、「実施を前提とした計画を持っている」が17.2%で、「具体的な予定はない」が55.2%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、近畿の36.2%が最も高く、北海道・東北の12.9%が最も低かった。人口規模別では、50万人以上が50%で、5万人~20万人未満が31.1%で続いた。

(1-21)住民の日常生活における歩数について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、歩数を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数397)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は26.2%、「実施を前提とした計画を持っている」が15.9%で、「具体的な予定はない」が57.9%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、近畿の37.5%が最も高く、中部の30%、中部の24.8%が続いた。人口規模別では、50万人以上が66.7%で、5万人未満は17.5%にとどまった。

 静岡県三島市は、活動量計を会員証とした有料会員組織「みしまタニタ健康くらぶ」を平成27年度に立ち上げた。活動量計を日々持ち歩き、身体活動を記録するほか、高性能体組成計によるカラダの内部測定を行い、データベースに蓄積された測定結果から、歩数や消費カロリーなどのデータとともに、タニタのWEBサイト「からだカルテ」上で健康グラフを閲覧し日々の変化を確認できる。そうした中で、自分の健康上の問題点に気づき、歩数を増やす、筋肉を鍛えるなど行動を変えていくという。

運動や休養、飲酒に関する取り組み:約7割が運動習慣者の割合に数値目標

(1-22)運動習慣者の割合について数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数397)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は64.7%と高く、「実施を前提とした計画を持っている」が18.9%で、「具体的な予定はない」が16.4%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中部が74.7%と最も高く、九州・沖縄の54.5%が最も低かった。人口規模別では、50万人以上が88.9%で、5万人未満は54.1%だった。

 和歌山県紀の川市は平成26年度から「チャレンジ100万歩in紀の川」を実施している。1チーム5人で1カ月に100万歩を目指す事業で、運動習慣のきっかけとなり、市職員、企業、市民が参加している。その成果として運動習慣者が11.7%から29.9%に増加したという。

(1-23)睡眠による休養を十分とれていない住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を減少させるための取り組みを行っていますか(回答数393)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は47.3%で、「実施を前提とした計画を持っている」が23.2%で、「具体的な予定はない」が29.5%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中部が57%で最も高く、九州・沖縄の38.9%が最も低かった。人口規模別では、20万~50万人未満が58.7%で最も高く、5万人~20万人未満の54.4%が続いた。

(1-24)生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を減少させるための取り組みを行っていますか(回答数398)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は49.2%で、「実施を前提とした計画を持っている」が22.6%で、「具体的な予定はない」が28.1%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中部が56.3%で、近畿の54.2%、中国・四国の50%が続いた。人口規模別では、50万人以上が66.7%と最も高く、5万人未満は40.2%と最も低かった。

禁煙の取り組み:約3割がサポート事業を「行っている・予定」

(1-25)禁煙サポート事業を行っていますか(回答数398)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は28.6%で、「実施を前提とした計画を持っている」も5.3%にとどまり、「具体的な予定はない」が66.1%と最も高かった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、近畿が39.6%と最も高く、九州・沖縄は10.9%と最も低かった。人口規模別では、50万人以上が55.6%で、20万人~50万人未満の55.3%が続いた。

(1-26)庁舎敷地内全面禁煙を行っていますか(回答数393)

(出所:日経BP総研)

 「行っている」が10.4%で、「敷地内ではなく庁舎内全面禁煙としている」は61.4%で、「実施していない」は28.2%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている」と「敷地内ではなく庁舎内全面禁煙としている」の回答の合計値をエリア別に見ると、近畿が83.3%と最も高く、中部が67.5%と最も低かった。人口規模別では、20万人~50万人未満が72.3%で最も高く、50万人以上が64.7%と最も低かった。

 神奈川県藤沢市は、平成29年2月から市内全駅路上喫煙禁止区域を指定し、平成30年4月からすべての市有施設について敷地内禁煙化を実施しているという。

歯科疾患対策や歯科検診の取り組み:8割超が歯周疾患検診

(1-27)「60歳代における咀嚼良好者の割合」「歯の喪失防止状況の改善」「乳幼児・学齢期のう蝕のない者」それぞれについて、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、向上させるための取り組みを行っていますか(回答数397)。

(出所:日経BP総研)

 「3つすべてに取り組んでいる」は11.3%で、「一部のみ取り組んでいる」が67%、「取り組んでいない」は21.7%だった。

(出所:日経BP総研)

 「3つすべてに取り組んでいる」のエリア別の回答は、関東が14.3%で最も高く、近畿の8.3%が最も低かった。人口規模別では、50万人以上は61.1%だが、20万人~50万人未満は14.9%と大きな差がある。

 京都市舞鶴市は、高齢者の口腔機能低下の予防を目的に「お口いきいき元気アップ講座」で歯科衛生士による口腔アセスメント、口腔ケア講話、健口体操などを実施し、予防知識を普及させている。6カ月のプログラムに加え運動事業とタイアップすることにより、健口体操の継続実施とし、口腔内の改善や機能の低下予防について効果がみられているという。

 奈良県野迫川村は、村立の保育所に入所している4歳以上の幼児を対象として保護者の確認を取って週5回、0.055%フッ化ナトリウム水溶液で洗口する事業を実施している。保護者の反対はなく、対象児全員に実施しており、虫歯発生率は実施して以来、ゼロになっているという。

(1-28)歯周疾患(病)検診を行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は84.5%と高く、「実施を前提とした計画を持っている」は3.3%、「具体的な予定はない」は12.2%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中部が91.3%と最も高く、関東の89.4%、近畿の87.5%が続いた。人口規模別では、20万人~50万人未満が95.7%と最も高く、50万人以上の94.4%が続いた。

 茨城県坂東市では平成17年から、40歳・50歳・60歳・70歳の市民を対象に、歯周病予防を目的とした集団検診、個別ブラッシング指導、健康教育を実施し、歯周病予防の啓蒙を図っている。参加者は年150人という。

(1-29)歯科検診を受診した住民の割合について、数値目標を設定し、PDCAサイクルを回して、割合を増加させるための取り組みを行っていますか(回答数395)。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」は57.2%で、「実施を前提とした計画を持っている」は12.7%、「具体的な予定はない」は30.1%だった。

(出所:日経BP総研)

 「行っている/平成30年度内に予定している」のエリア別の回答は、中部が71.3%と最も高く、近畿の64.6%が続いた。人口規模別では、50万人以上の77.8%が最も高く、5万人未満の51.9%が最も低かった。

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