オンライン開催となった京都スマートシティエキスポ2021(2021年11月11~12日・アーカイブ公開は12月31日まで 主催:京都スマートシティエキスポ運営協議会)。「全国自治体交流シンポジウム スマートシティセッション②」では、「スマートシティが織り成す未来」と題して、地域課題解決とまちづくりに取り組む福岡市、富山市、京都府の担当者が登壇した。その発表を抜粋して紹介する。

(右上)福岡市住宅都市局九大まちづくり推進部イノベーション推進・Smart EAST担当課長 金丸勝也氏
(左下)富山市企画管理部情報統計課課長 佐伯誠司氏
(右下)京都府 文化学術研究都市推進課(科学技術共創担当)参事 塩崎大祐氏
(左上)一般社団法人インターネット協会副理事長 木下剛氏(ファシリテーター)

福岡市 まちづくりに先駆けた実証実験では市民参加を促す

 福岡市では移転した九州大学箱崎キャンパス跡地を利用したスマートシティづくり「FUKUOKA Smart EAST」に取り組んでいる。同跡地は博多駅まで5分と都心に近く、3路線の鉄道に囲まれている好立地だ。しかも面積約50ヘクタールいう広大な未利用の敷地を活用できる。福岡市住宅都市局九大まちづくり推進部イノベーション推進・Smart EAST担当課長の金丸勝也氏は同跡地について、既存の街では難しい新しいまちづくりの仕組みを、事業として展開できるエリアだと説明する。

九州大学箱崎キャンパス跡地の位置、立地が良く面積も広大。新規でスマートシティをつくるのに最適な条件がそろった(福岡市の当日配信資料より)
九州大学箱崎キャンパス跡地の位置、立地が良く面積も広大。新規でスマートシティをつくるのに最適な条件がそろった(福岡市の当日配信資料より)
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 今後、同跡地は土地所有者である九州大学とUR都市機構が土地利用事業者を公募し、選定された事業者が土地を購入して社会課題を解決するイノベーションの実装を進めることになっている。現在、公募要項を作成しているところだ。「必要な部分があれば行政としてもまちづくりを支援していく」(金丸氏)。

 事業者の選定に先立ち、九大箱崎キャンパス跡地では、自動配送ロボットや自動運転小型バスの運行などの実証実験が行われている。住民理解を進め、まちづくりの機運を醸成することが目的だ。民間の提案が本当に社会課題につながるのかを確認するという目的もある。

地域の住民に見てもらいながら実証実験を実施(福岡市の当日配信資料より)
地域の住民に見てもらいながら実証実験を実施(福岡市の当日配信資料より)
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 自動運転といっても、実際に街で動いているところを見てもらわなければ、なかなか理解を得にくい面がある。「自動運転小型バスでは会場に訪れた子供連れのご家族や、高齢者の方々に乗車してもらった。直接よい感想を聞くことができた」「実証実験を繰り返すことで、地域住民の皆さんの理解も進んだのではないか」と金丸氏は手ごたえを語る。