デジタル化の鍵は「CPRナンバー」

 デンマークのデジタル化の鍵となるのが個人番号、すなわち日本でいうところの「マイナンバー」である。導入されたのは今から51年前、1968年にさかのぼる。

 デンマークでは「CPRナンバー」と呼ばれ、10桁の番号から成る。最初の6桁は生年月日が日・月・年の順に並び、最後の4桁が個人に付与された番号だ。その番号が偶数か奇数かで性別が分かるようになっている。国籍にかかわらず滞在許可を取得してデンマークに居住している人なら誰でも付与される。筆者も5年間のデンマーク在住中には非常にお世話になった番号だ。

 このCPRナンバーは51年の歴史があるとはいえ、それを実際に活用しデジタル化が急速に進んだのは特に2000年代以降のことである。例えば、2007年には「borger.dk」と呼ばれる市民ポータルサイトが整備され、行政サービスの申請手続きなどは、役所に出向かずとも自宅からパソコンで行うことができるようになった。引っ越しの際の転出や転入の届出が自宅にいながら数分で済んでしまうのだ。

行政サービス用ポータルサイトの個人ページ(筆者のデンマーク市民ポータル個人ページに説明を付記)

 2014年11月からは、一部の特別なケースを除き、行政と市民はオンライン上の電子私書箱を通じてやり取りを行うことが義務付けられている。日本では例えば年金に関する通知などが郵送で来ることがあるが、デンマークでは、そういった文書は全てe-mailのような形態で個人に送られるのだ。