日本の糖尿病有病者は1000万人を超え、良好な疾病コントロールは大きな課題である。世界各国で、糖尿病管理に対するデジタルヘルス技術が開発され、我が国でも、独自開発のモバイルアプリの社会実証が始められている。そして、前回の心不全と並んで、糖尿病に対してもデジタルヘルスの有効性の検討が精力的になされており今回は、その有効性に関するエビデンスを見ていく。

糖尿病患者向けデジタルヘルス技術の機能

 スマートフォンを使って、血糖値や食事・運動、その他の体調・心理状況に関する情報を患者が入力すると、生活習慣・モチベーション維持に関する種々のアドバイスがフィードバックされたり、薬物や食事、運動等について学習することができる。

 こうしたフィードバックなどは、プログラムとして自動化されたものがベースであるが、さらに、医療従事者が個別にメッセージを送ったり、電話やビデオ機能での会話ができるものが付加される。

2型糖尿病患者に対するエビデンス

 対象者が多い2型糖尿病(インスリンの作用不足により高血糖を来すタイプ)患者に対するデビデンスから見ていく。5本のシステマティックレビュー・メタアナリシスによると、全体としては幅広く有効性が確かめられていると言える(表1参照)。

表1 2型糖尿病患者に関するデジタルヘルス技術の有効性エビデンス研究(システマティックレビュー・メタアナリシス)

 2018年に発表された「メタアナリシス」では2)、HbA1cが対照群に比べて介入群では、0.55ポイントより減少していた。また、解析対象は一部重複するが、その他の二つのメタアナリシスでも3,4)、HbA1cが介入群ではそれぞれ、0.54、0.56ポイントより減少していた。