ポジティブな結果となった原因・背景

 ポジティブな結果が見られた研究を3つ示す。

 Carterらの研究5)では、食事データ入力・記録のアドヒアランス(6カ月のフォローアップ期間)が、スマートフォンアプリ群で92日と最も長く、ウェブサイト群が35日、日記群が29日と続いた。体重減少も、スマートフォンアプリ群が4.6kgと大きく、ウェブサイト群が2.9kg、日記群が1.3kgそれに続いた(アドヒアランスは統計的に有意な差が見られたが、n数が十分でなく、体重減少は有意な差が見られなかった)。

 方法間で明確に差がでた背景は、研究からのドロップアウト率から推測される。スマホアプリ群では7%であったのに対し、ウェブサイト群では45%、日記群では47%であり、各方法に対する利用者の受け入れ度に大きな差があった。

 次に、Stephensらの研究は6)、18〜25歳の若年層対象をしたプログラムで、介入群と対照群へのそれぞれの働きかけは以下のようなものである。

介入群:アプリ+カウンセラーからのメールによる指導+プログラムスタート前のカウンセリングセッション2回(20分+30-40分)

対照群:カウンセリングセッション1回(20分)

 カウンセラーからのメールによる指導は、週1回から毎日3回まで頻度を選べる。アプリでは、食事を全て入力し、今後、どの位食べていいかのカロリー予算が示される。さらに、ソーシャルネットワークへの参加も促される。アプリを用いているというものの、医療従事者・専門職からの指導が濃厚に行われている。

 結果は、対照群では0.3kg増加、介入群では1.8kg減少であった(3カ月)。

 田中らの研究は7)、20〜64歳の肥満者が対象で(会社人事部が社員から募集)、介入群は、スマホアプリを使用し、対照群は何もしていない。アプリでは、食事の写真を撮り、グループチャットにアップロードする。それに対して、栄養専門家が直ちにコメントをする。アプリ提供会社が、炭水化物、タンパク質、野菜を1:2:3の重量比で食べるという原則を作っており、それに基づいて指導がなされる。

 結果として、介入群では1.4kg減少、対照群は0.1kg減少(8週間)。介入終了後の12週間経過時も同様の結果であった。

 Stephensらと田中らの研究がポジティブになった背景は2つあるとみられる。1つは、医療従事者・専門家が関わっていることと、対照群がほとんど何もなされていないことである。