ここシリコンバレーで「Shelter in Place」、つまり自宅待機が3月16日に発令されてから10日以上が過ぎた(前回の記事はこちら)。

 発令当初、世界最大の完全リモートワークの会社であるGitlab社のHow-toリモートワークがコミュニティ間で共有されたり、子供に有意義な一日を過ごさせながら自分の仕事時間を確保するためのアイディアがSNSを飛び交ったりした。リモートワーク環境への移行に躍起になり、もともと使われていたSlackやZoomの使用頻度も激増した。

 他にもCourseraUdemyなどオンライン・ラーニングのユーザー数が劇的に伸び、Peloton InteractiveTonalなどのリモートフィットネスソリューションも成長が予想されている。

 しかし発令から10日以上経った現状を冷静に観察すると、リモートソリューションを駆使して問題なく仕事をこなしている層がいる一方で、苦労している層も出てきているように見える。いくらリモートワークに対する技術的なハードルが取り払われても、時間やスペースなど物理的な制限は(今のところ)簡単には解決できないからだ。

 実際、筆者の周りで勤務する人達の状況は簡単ではない。特に小学校低学年以下の子供がいる共働きの家庭の多くは、スタートアップで求められる高い生産性と子供のホームスクーリングの両立ができずに悲壮感を感じている人もいる。というのも、今回の「Shelter in Place」条例下ではベビーシッターやナニー(母親に代わって子育てをする女性)などに子供の面倒を頼めないことになっているからだ。

 先日、散歩中に娘の同級生のママと偶然会い、立ち話をした(もちろん6フィート以上の距離を置いて)。彼女は「どうやって通常と同等レベルの仕事量をこなせというのだ。このままでは休職せざるをえない」と、怒りをあらわにしていた。他にも在宅で生産性が全く上がらない人、仕事に集中する時間を確保できない人など、悩みは深い。幾つかのユニコーン企業による大幅な人員削減がニュースになったが、実際にチームメンバーを解雇せざるを得なかった友人もいる。もちろんZoom経由でだ。

 追い打ちをかけるように先日、ベイエリア全地域の学校休校が5月1日まで延長されるとの発表があった。筆者の周りの多くは、この発表に絶望感を感じていた。