アプリを更新することで最新データや機能がベッドに反映

岡島 ベッドの角度やマットレスの硬さは、スマホにダウンロードしたアプリで操作するんですよね。アプリはどんどん更新されていくと思いますが、購入してから数年経った商品でも、最新のデータをアップデートできるんですか?

小澤 アプリとベッドは連動させているから、アプリをアップデートすると自動的にベッドに機能が反映されます。未来がひらけてくるような機能をいろいろ盛り込み、アップデートするだけで最新機能が使えるようにしていきたいと考えています。

スマホのアプリ画面からベッドの角度や硬さ、起床時間などを設定する
スマホの専用アプリ、Active Sleep でベッドの自動運転を設定。センサーによるモニタリングから睡眠や機器の状態を確認でき、自身で睡眠マネジメントが可能(出所:パラマウントベッド)

岡島 まさにスリープテックの良さを反映させたベッドですね。購入した時点でのエビデンスはこうだったけどデータを蓄積していった結果こちらのほうがいい、と分かったらアップデートしてより良い環境を作っていけるわけですね。データは個人のものですか、それとも多くの人のデータを貯めてビッグデータを分析、反映させるのでしょうか?

小澤 マットレスの下にセットした「Active Sleep ANALYZER」を弊社のサーバーとつなげて、多くの人の睡眠データを集めて分析しています。いずれは「睡眠スコアが高くなる入眠角度」などのデータを集計して、個人用としても反映させていきたいですね。

岡島 例えば「寝ているときの姿勢が睡眠の質を下げているからベッドを変えた方がいい」とか、「部屋が暑すぎるから空調調整した方がいい」など、その人に合わせたアプローチができる睡眠ソムリエがいるのが理想だと思っています。ただ、同じ設定でもそれがいいと感じる人と嫌だと感じる人がいるから、誤差をどれだけ小さくしていくかも今後の課題ですね。

椎野 そうなんですよ。個人差だけなく、主観と客観のずれもあります。データとしては睡眠が悪くても本人が「いや、よく眠れた」と感じれば、いい睡眠になってしまうし、その逆もあります。主観と客観をうまくつなげられればいいのですが…。

岡島 私は主観に攻めていくカウンセリングを行うので、本人が「眠れた」と思えればそれでいいのですが、そうはいっても本当に眠れているのかという客観データが欲しくなります。逆に客観を突き詰めると、主観的なデータが欲しくなるでしょう。でも、客観データと本人の感覚を一致させる必要があるのかは迷いどころだし、そのあたりも興味深いですね。ちなみに、アナライザーの精度はどのくらいですか?

椎野 睡眠ポリグラフ検査と比較したある研究で、90%以上の一致率でデータを得られることが確認できています。腕につけて体動から睡眠・覚醒状態を測定する医療用機器「アクチグラフ」と同じくらいの精度なので、信頼度は高いと思います。

マットレスの中にある23本のエアセルに空気を送り込んで部位ごとに硬さを調節できる(写真:高山透、以下同)
センサーで心拍数、呼吸数、体動などをモニタリングして眠りを採点