前回長寿エリア、ブルーゾーン沖縄への誘いに引き続き、世界5大長寿地域=ブルーゾーンの一つとして、アフターコロナの誘客が期待される沖縄について語りたい。その実情を知りたいと訪れたのは、2020年7月に読谷村(よみたんそん)にオープンし、日本で初めてブルーゾーンを主役とした滞在プランを打ち出した「星のや沖縄」。プログラムの監修はウェルネスツーリズム論の第一人者として知られる、琉球大学国際地域創造学部/観光科学研究科の荒川雅志教授だ。

ブルーゾーンは富裕層向けのバズワード

 「開業前の準備を進める中で耳にしたのが、沖縄県は世界で数少ないブルーゾーンに属しており、日本ではまだ浸透していないものの、海外の富裕層マーケットではバズワードとして注目されているという情報でした」と背景を語るのは、星のや沖縄・総支配人の澤田裕一氏。荒川教授との縁がつながり、前回ご紹介したブルーゾーンに共通する9つの項目を踏まえた上で、2021年9月から新たなステイプランをスタートさせた。それが、2泊3日の「沖縄ブルーゾーン滞在」だ。

 「当初、我々は野菜が中心の食事や体を動かすことを柱に考えていたのですが、滞在スケジュールの中で荒川教授が注目されたのは、三線や琉球民謡を聴きながら浜辺で晩酌を楽しむ体験でした。人生のスローダウン、地元の人や自然とのつながりを感じ、お酒が入ることで和やかな雰囲気も生まれるとのお話から、このプログラムを沖縄ブルーゾーン滞在の柱としました」

 今回、実際にそのひとときを泡盛を飲みながら体験したのだが、波の音とともに響く三線の音や歌声は実にやさしく、予想していた以上に夢心地となる。演奏するのは、地元読谷を中心に活動する琉球古典音楽安冨祖流の師範・小波津直也氏。曲や地元に関する質問が投げかけられるなど、束の間ながらも会話の時間が設けられて方言がやさしくしみた。

星のや沖縄・総支配人の澤田裕一氏は、「星のや竹富島」での4年間の勤務で、沖縄の原風景に感慨を覚えたという。「人とつながる、家族を最優先する、信仰心を持つ。竹富島のおじい、おばあの生き方にふれ、島の人たちは生まれもってその心を持っているのだと感じていました」(写真:松隈 直樹、以下注記のないものは同)
星のや沖縄・総支配人の澤田裕一氏は、「星のや竹富島」での4年間の勤務で、沖縄の原風景に感慨を覚えたという。「人とつながる、家族を最優先する、信仰心を持つ。竹富島のおじい、おばあの生き方にふれ、島の人たちは生まれもってその心を持っているのだと感じていました」(写真:松隈 直樹、以下注記のないものは同)
[画像のクリックで別ページへ]