春が来れば事態はやわらぐかと期待していたものの、気兼ねなく旅ができるのはまだ先のようだ。辛抱の時は長引いているが、そんな中でも静かに、そして確実に需要を伸ばしているのが、全国24地域(2021年3月現在)に広がる「NIPPONIA」の宿だ。2021年度上半期だけでも、さらに5地域で新規開業が予定されている。

 「2020年春の緊急事態宣言中、2カ月間は自粛を余儀なくされましたが、6月には7割まで、7月には例年通りの数字に回復し、GoToトラベルの期間中は150~200%近い需要がありました。多少の差はあれ、各地の施設はいずれも同様の傾向です」と話すのは、NIPPONIAの開発、マネジメントを担うNOTEの代表取締役の藤原岳史氏だ。

 1泊2名朝食付きで5~7万円程度と決してお安くはない宿は、まちに点在する分散型と農村集落型と大きく2つに分かれるが、それぞれに歳月を経た空き家を活用し、人気の観光地や温泉地にはないのが共通している。

NOTE代表・藤原岳史氏は、丹波篠山市(兵庫県)の出身。NOTEは地域開発を含む収益事業を担い、各地域の研究開発や公益事業を担う一般社団法人ノオトが地盤を支える両輪システムでNIPPONIAの事業は進められる。詳細については、こちらのサイトでご参照いただきたい。https://team.nipponia.or.jp(写真:Beyond Health、以下クレジットのないものは同)
丹波篠山市内におけるNIPPONIAの展開状況。この他、街中から車で10分ほどの集落丸山、かつての宿場町福住地区や、歴史ある農園の思いを継いだ後川新田地区の宿など、丹波篠山市内にNIPPONIAの施設は広がる(データ提供:NOTE)
2020年11月時点でのNIPPONIAの施設は、北は福島県から南は熊本県まで点在する。「同じカラーの地域はひとつもありません。それぞれに文化が異なりますから、競合することもないんです」と藤原氏は話す(データ提供:NOTE)