「体験と発見こそが、真の贅沢」。そう提唱する新潟県南魚沼市の温泉宿「里山十帖」と、運営する「自遊人」の取り組みを、前回に引き続きお伝えしたい。食をはじめ地域に根ざした活動について思いを伺ったのは、代表取締役・岩佐十良氏だ。

里山十帖が考えるローカル・ガストロノミー

 ここ数年、メディアでローカル・ガストロミーという言葉を目にするようになったが、実は岩佐氏が提唱者であり、里山十帖は発信の拠点としてその理念を体感できる場になっている。

 「地域の風土や歴史、文化を皿の上に表現する料理が、僕たちが考えるローカル・ガストロノミーです。その言葉が世間に広く知られるようになったのはとてもありがたいことですが、最近、イメージだけがひとり歩きしているのではないかとの懸念を抱いており、ローカル・ガストロミーの本質とは何なのかということを、今後はもう少し強く訴えていきたいと考えているところです」

 里山十帖では夕食時、その日の食材とともに「里山十帖の『料理十条』」が記されたメッセージが卓上に置かれる。岩佐氏が考えるローカル・ガストロノミーの根幹をご理解いただくためにも、少々長くなるが引用したい。

一、料理を通じて、体験、発見、感動を提供する。
二、二十四節気、七十二候。日本の暦に逆らわない料理を作る。
三、新潟の風土、文化、歴史を学び、料理に表現する。
四、古来伝承の発酵・保存技術を学び、活かし、料理に取り入れる。
五、食材はできるだけ近くから。食材に旅をさせない。
六、山菜、伝統野菜、有機栽培の野菜など、生命力の強い食材を使う。
七、動物を無用に苦しめず、命に感謝していただく。
八、野菜は皮や根、茎まで、魚や肉は骨まで、余すところなく使い切る。
九、無添加、天然醸造の調味料を使い、化学調味料は一切使用しない。
十、美味しいこと、美しいこと、健康で幸せに生きる料理であること。

南魚沼市の山間部に立つ里山十帖と、自社田で稲刈り中の、自遊人代表取締役・岩佐十良氏。岩佐氏のメッセージや里山十帖ほか施設の取り組みについては、ウェブサイトでご確認を<a href="https://jiyujin.co.jp/">https://jiyujin.co.jp/</a>(写真:松隈 直樹、以下同。ただし、右上の稲刈りの写真は「自遊人」提供)
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南魚沼市の山間部に立つ里山十帖と、自社田で稲刈り中の、自遊人代表取締役・岩佐十良氏。岩佐氏のメッセージや里山十帖ほか施設の取り組みについては、ウェブサイトでご確認を<a href="https://jiyujin.co.jp/">https://jiyujin.co.jp/</a>(写真:松隈 直樹、以下同。ただし、右上の稲刈りの写真は「自遊人」提供)
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南魚沼市の山間部に立つ里山十帖と、自社田で稲刈り中の、自遊人代表取締役・岩佐十良氏。岩佐氏のメッセージや里山十帖ほか施設の取り組みについては、ウェブサイトでご確認をhttps://jiyujin.co.jp/(写真:松隈 直樹、以下同。ただし、右上の稲刈りの写真は「自遊人」提供)
刈り取った藁が庭で干され、大根や柿が軒先を彩る里山十帖の秋の景色は、筆者のような田舎で育った昭和世代にとっては郷愁を感じる眺め。都市圏で生まれ育ったとりわけ若い人たちの目には、どのように映るのだろうか
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