軽井沢のコワークスペースでの新たな発見

 今回、阿部知事へのリモートインタビューを行ったのが、長野県に数あるテレワーク拠点の1つで、2020年1月末にオープンした軽井沢の「232 work&hotel」。ここでもまた、ワーケーションの既成概念が覆されていく。

 軽井沢駅から徒歩約5分のロケーション。同施設のコワークスペースには、共用スペースのほか電話ブース、会議室、オフィススペースが設けられ、1室ながら広々とした空間が魅力のホテルも隣接する。そのコワークスペースの利用は、地元の住民や都市部との二地域居住者が多いと話すのは、コミュニティマネージャーの石野はるか氏だ。

 「気分の切り替えや最適なネット環境を求めて、あるいはご家族がいる空間では仕事がしにくいという方々が多く見られます」

 2台のノートパソコンを利用した阿部知事とのインタビューはまったくストレスを感じることなく終了。ネット環境の良さを実感したが、そのコンセプトは「FUN WORK SHARE」で、仕事の効率性だけに重きをおいているわけではない。

 「ここに来れば、誰かに出会える。つながりの場であり、情報交換の場でもありたいと思っています。人と人、コト、モノなどをつなぐハブや、インフォメーションセンター的な役目を担いたいというのが目指すところ。私の肩書きがコミュニティマネージャーなのも、人をつなげたいという思いからなんです。施設の管理だけではなく、利用者の方々とのなにげない会話、おいしいランチや散歩に気持ちのいい場所のご案内なども介して、温かく居心地のいい空間をつくっていきたいと考えています」

 コロナ禍においては集うことが難しい状況だが、まずは映画の上映会など少人数のイベントを実施し始めたところで、今後、人が集まる機会を重ねたいと考えているそうだ。

 窓が大きく取られて自然の光を感じられる上、夏場はテラス席で寛ぐこともできるとの話を聞きながら、やさしい居心地の良さを感じていた。そのプロデュースと運営を担うのは、デンマークを中心とした北欧家具の輸入から住宅や商業施設の建築設計までを手掛ける「haluta」と知り納得。この空間はショールームの役割も果たし、住宅や別荘の建築やリフォームの相談にも乗るという。現在、上田市にある拠点が2021年8月末には軽井沢町へと移ってくることで、より地域に根付いた活動が期待される。ことが動けば、人が動く。すなわち、地域経済とリンクしている場でもあるのだ。

232 work&hotelコミュニティマネージャーの石野はるか氏は、2年前に東京から軽井沢へ移住。施設を利用する多くの方たちと同じ視点で、人をつなげる役目を担うhttps://hello232.com/
232 work&hotelのワークスペースは、椅子席、ソファ席などを含めて全40席。会議室に加え、1~2名で利用できる「電話ブース」も好評だという
客室は約50㎡のゆったりとしたつくり。キッチンやランドリーもあり、別荘感覚で利用できる(写真提供:232work&hotel)