看護師経験者を雇用するメリットとは

 香港では資格としては認められなくても、看護師としての知識と経験を持つ人材を雇用するメリットについて、チュウ氏はこんな実例を使って説明してくれた。

 「例えば経鼻胃管、俗に言う鼻チューブを使って食事をしていた高齢者を、元看護師の介護担当者が世話をして、日常的にリハビリを取り入れているうちに、高齢者が再び自分で食事ができるようになったというケースもある。食事は香港人にとって生きる喜びであるし、人間としての尊厳を取り戻すことで、高齢者の生活の質が格段に向上した」

 統計はないが、このような形で老化の進行を遅らせたり、症状を改善させたりという効果が見えるケースが多いという。

 「もちろん、例えばチューブを間違って外してしまった際に再び取り付けるような作業は、介護者がかつて自国で業務として日常的に行っていたとしても、一切手を触れさせず、当社所属の香港人看護師を派遣して行う仕組みになっている」とチュウ氏。依頼が来るのは、高齢者の容体が悪化して、一般の家政婦では難しくなってからがほとんどだが「もっと早くお願いすれば良かった」と言われることがよくあるという。

 経験や資格以外にも、介護に適した人材を集めるのに何かしら工夫はあるのか、と聞くと「海外でも、資格を得るに看護師は3~6年、介護士は3~6カ月ほどの期間が必要。それだけの覚悟を持って職業を選んだ人たちなので、人の世話をする適性を元々持っている」とチュウ氏は語る。